台湾の人々も悩ます中国大陸旅行者の問題行動 ガイドらの報告義務化へ
中国大陸の観光当局は27日、ガイドと添乗員を対象とした新たな規定を5月1日から実施すると発表した。旅行先で問題行動を起こした旅行者について、管轄機関に報告することがガイドらに義務付けられる。
昨年の中国大陸からの旅行者数は前年比39%増の約398万人に達するなど増加の一途をたどる台湾でも一部の心無い人の行動は悩みの種だ。観光地で落書きをしたり、レストランのテーブル上で子どもに用を足させるなど、社会問題化している。
新規定では、出入境時、交通機関、宿泊施設、レストラン、観光地などにおけるマナーについて、旅行者に対して注意、説明すべき項目なども定められている。
報告義務化は、旅行者の問題行動による中国大陸のイメージダウンに歯止めをかける狙いがあるとみられる。当局は今月上旬にも、マナーを著しく欠く旅行者をブラックリストに載せる制度を開始している。
ただ、台北市内のホテルに勤める黄さんは具体的な懲罰がなく、「効果は限定的ではないか」と今回の新規定に懐疑的だ。
日本・春の外国人叙勲受章者発表 許水徳氏に台湾初の旭日大綬章
日本政府は29日、2015年春の外国人叙勲受章者を発表した。台湾からは3人が受章し、台湾の対日窓口機関、亜東関係協会の許水徳・元会長(83)は、日台の経済・文化などさまざまな分野での友好交流の発展に尽力したとして、最高位の旭日大綬章を台湾出身者で初めて贈られた。
日本の対台湾窓口機関、交流協会によると、許氏のほか、台日商務交流協進会理事長の江丙坤氏が旭日重光章、中央研究員民族学研究所の元研究員、劉枝万氏が旭日小綬章をそれぞれ受章した。
台湾は2005年から叙勲受章者が選ばれており、今回の3人を含めて36人が受章している。
鄭成功の台湾出兵から354年で記念式典 歴史伝える特別展示も
明代の武将、鄭成功が1661年に台湾に出兵してから29日で354年。鄭氏をまつる台南市の延平郡王祠では午前、恒例の記念式典が行われた。同祠の敷地内にある鄭成功文化館では台湾の歴史に関する特別展示も開催されている。
式典には台南市の頼清徳市長や鄭氏の出生地である長崎県平戸市、中国大陸・アモイ市、マレーシア・ペナンなどの関係者らも出席。内政部の陳威仁部長(内相)は、鄭氏の政治手腕を振り返り、その功績を称えた。
特別展示では台湾南部の新石器時代の暮らしを紹介。8月30日まで開催される。
野球のアジア・ウインターリーグが復活へ 日韓など参加決まる
台湾のプロ野球リーグ「中華職業棒球大連盟」(CPBL)は28日に開かれた4球団の代表者会議で、昨年資金難で中止になった「アジア・ウインターリーグ」の再開を決定した。暫定日程は11月28日~12月20日で、会場は雨が少なく気候が温暖な中南部がメインとなる予定。
CPBLの朱康震秘書長(事務局長)によれば、参加枠は4チームで台湾、日本、韓国のほかに、欧州選抜チームが初出場する予定。全36試合が行われる。
昨年中止の原因となった開催資金については、教育部体育署からの補助を受けるほか、地方政府に対しても援助を求めているという。
アジア・ウインターリーグは若手育成を目的として、CPBLが2012年から開催。過去には日韓に加え、ドミニカ共和国も参加していた。
台南、澎湖両空港で計器着陸装置増設へ 視界不良時の安全性向上
交通部民用航空局が台南空港と澎湖県の馬公空港に設置を進めている新たな計器着陸装置(ILS)が6月にも運用を開始する。視界不良時の着陸の安全性向上が期待される。
馬公空港では昨年7月、トランスアジア(復興)航空機が悪天候のためにILSが設置されていなかった滑走路を見失って着陸に失敗。乗客乗員48人が死亡、地上にいた人を含む15人がけがをした。
民航局はこの事故を受け関係各方面と協議を実施し、ILSの増設を決定。5月にも各種試験を行うとしている。馬公空港では今後、着陸可能な視程が1600メートルから1200メートルに改善される見通し。
HTC、2Q売上高は前期比最大23%増を予測[IT]
スマートフォン大手の宏達国際電子(HTC)は28日、第2四半期の財務予測を発表した。連結売上高は460億~510億台湾元(約1,790億~1,990億円)の範囲内とし、前期比で10.8~最大22.8%増を見込む。同社は今年の旗艦機種「HTC One M9」をはじめハイエンド機種の販売を強化し、同四半期も増収を果たすと説明した。
HTCは第2四半期について、粗利率を23.0~23.5%、1株当たり税引き後純利益は0.06~0.34元とそれぞれ予測した。28日に開催した業績説明会で、同社は「四半期を追うごとに成長を維持していく。スマホと、カメラなどスマホ以外の製品の販売台数はそろって増加する」と強調した。また、「ハイエンド市場の成長は速い。この市場では粗利益の更なる獲得が期待できる」として、M9のほか、中国やインドで発表済みの新機種「M9プラス」、5月から台湾でも発売する「E9プラス」に力を入れる考えを示した。
第1四半期の業績は、粗利率が前期比0.7ポイント下落し19.7%となった。粗利率は2四半期連続で低下した。営業損益は2,000万元の黒字で、利益額は昨年第2四半期以来3四半期連続で減少した。税引き後純損益は3億6,000万円の利益を計上し、前年同期の18億8,000万元の赤字から黒字転換した。1株当たり利益は0.43元だった。発表済みの売上高は、前年同期比25.4%増の415億2,400万元。前期比では5.7%減だった。
■ハイエンド機種の販売が鍵
HTCは業績発表会で、第2四半期以降も成長する方針を強調した。ただ、同四半期の売上高予測は業績がV字回復した昨年第2四半期の651億元を大きく下回っており、不透明な業況がうかがえる。同社は、3月に発売したM9に続くM9プラスについて「5.2インチのモニターと指紋認証システムを導入し、消費者のカスタマイズ要求に応えた」と強調した。
HTCは昨年第2四半期以降、4四半期連続で黒字が続いており、業績は回復基調にある。ただ、今年第2四半期の純利益予測を低い水準に見積もっており、ハイエンド機種の売れ行きが利益の押し上げには欠かせない。M9の販売状況が反映される同四半期の業績が焦点となりそうだ。
台湾国防部、「台湾軍は中国本土製品を購入してはならない」
台湾国防部資電作戦指揮部の電池購入をめぐる騒ぎについて、台湾国防部の羅紹和報道官は28日の定例記者会見で、「資電部の購入計画では中国本土製電池を禁止せず、入札文書には使用禁止を明記したことが騒ぎの原因」と釈明した。香港メディア・東網が伝えた。
羅報道官は「購入契約の履行前、落札した唐士峰公司から提供された電池はいずれもイタリア製で、中国本土製ではなかった。購入計画文書と購入過程に不備があった。今後、違法であるという証拠が見つかれば、法に基づいて対処する」と述べた。
台湾の各購入計画では原則、中国本土製品の使用を禁止している。国防部は各機関に周知徹底を求めた。