李登輝氏「台湾は台湾であり、中国とは関係ない」
李登輝元総統は2日、“1つの中国”に関する両岸(台湾と中国大陸)の共通認識「92年コンセンサス」(九二共識)について、「(与党・国民党が)重ねて主張しているのは、中国に合わせるためだ」との考えを示し、「台湾は台湾で、中国とは関係がない」と述べた。
李氏は、そもそも合意自体が存在していなかったと主張。国民党が都合よく解釈できるよう、2000年当時に、台湾の対中国大陸政策を担当する大陸委員会主任委員(閣僚)だった蘇起氏が作ったものであるとした。
李氏の発言に対し、総統府の関係者は同日、もし92年コンセンサスが存在していなければ、1993年に双方の窓口機関トップによる初の会談は行われておらず、馬英九政権下での両岸関係の平和的発展も実現していないと反論している。
【92年コンセンサス】 1992年に台湾と中国大陸が窓口機関を通じ確認した両岸対話の原則。“1つの中国”を前提としているがその解釈には触れておらず、国民党は「1つの中国=中華民国」との立場を示している。
開校100年迎える台中第一高校、日本統治時代に建設の旧講堂が再オープン
台中第一高校(台中市)で1日、開校100年の記念式典が開かれた。式には多数の卒業生が出席し、母校の節目を祝った。
同校は日本統治時代の1915(大正4)年、資産家の林烈堂氏、辜顕栄氏などの支援を得て台湾の子弟のみを対象にした初の中学校として設立された。
この日は開校100年の記念式典のほか、1937(昭和12)年に建てられた旧講堂も、同校の歴史を伝える「校史館」として再オープンした。
2004年に市の歴史的建造物に指定されていた同建物だが、地震や水漏れなどで老朽化が進み、近年ではほとんど利用されていなかった。その後、同校の卒業生である台達(デルタ)電子創業者、鄭崇華名誉董事長(会長)からおよそ7000万台湾元(約2億7000万円)の寄付を受け、2012年から修復工事が開始。今月1日に完了した。
台湾、2030年の労働者平均年齢55~64歳=政府機関予測
行政院(内閣)の国家発展委員会はこのほど、現在35~44歳の労働者平均年齢が、2030年には55~64歳になるとする予測を発表した。少子高齢化の進行による労働人口の減少が顕著になり、将来に合った経済や社会福祉政策の推進が求められそうだ。
台湾は2018年に、総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合が14%以上の「高齢社会」、2025年に21%以上の「超高齢社会」を迎えるとされている。報告では、労働人口の減少により社会保障支出も増加すると指摘している。
同委員会では定年の自主的な引き上げなどを奨励する一方で、先進国にならい、民間企業などにも高齢者が就労しやすい環境づくりを働きかけるとしている。
台湾・猫空の「ハローキティ」ロープウェイ、きょう最終日
台北メトロ(MRT)が運営する猫空ロープウェイで、2013年12月から駅施設や車体などに施されていたハローキティのラッピングが3日、最終日を迎えた。同社は1年半で400万人の乗客が空中散歩を楽しんだとしている。
ハローキティの特別ラッピングは、赤字を抱える同ロープウェイの集客力増強をねらって実施。当初は昨年末までの予定だったが、好評だったため期間が延長されていた。
同ロープウェイは4日から16日間、定期保守点検のため運転を取り止める。今月20日の再開後は、「斬新なデザインで皆さんとお会いできる」(同社関係者)としている。
日本人識者ら、台湾・金門警察を訪問 食品安全問題などで意見交換
法律に詳しい専門家らが2日、金門県警察局を訪問し、食品の安全問題などについて幅広く意見を交わした。
この日同局を訪れたのは、中央警察大学(桃園市)法律学科の余振華主任や松山大学(愛媛県)法学部の明照博章教授ら。金門では同地の名産品、高梁酒の偽造品の取り締りを強化しており、李建民副局長から摘発の成果や捜査の取り組みなどの説明を受けた。
李副局長は、犯罪技術の向上により、捜査の難易度が高まっていると実情を打ち明ける。法律の観点を交えた話し合いには「大きな意義があった」とし、食品の安全維持や金門県の経済を支える造酒産業を守るため、今後は対策を強化するとしている。
台湾・桃園空港、災害発生時の国際相互協力計画に加入
台湾桃園国際空港は先月29日、国際空港評議会(ACI)が設立した災害発生時に空港同士が国際的な協力、支援を行なうプラットフォーム「緊急協力計画」に加入したと発表した。ヨルダンで開催された同評議会の第19回アジア太平洋地区理事会議で決まった。
会議には成田国際空港など26空港のトップらが出席。同計画は近年世界的に自然災害が頻発しているのを受けて設立された。地震や洪水、火山噴火の発生で航空機の離着陸に影響が生じた際、警報を発令し、他の空港に支援などを求められ、迅速な対応が可能になるという。
台湾「唐奨」受賞の元南ア判事、高校生にいじめ問題語る
人種隔離政策(アパルトへイト)の撤廃に力を尽くし、2014年に台湾「唐奨」の法治賞を受賞した南アフリカのアルビー・サックス元憲法裁判所首席判事が1日、台北市内で約250人の高校生を前に講演。学校でのいじめ問題などについて語った。
「自由の戦士」として、アパルトヘイト廃止を求め活動していたサックス氏は1988年、亡命先のモザンビークで南アフリカ当局が自動車に仕掛けた爆弾により、右腕を失ったほか片方の目もほとんど見えなくなった。だが、「我々が民主主義や法治、正義を勝ち取ることこそが『ソフトな復讐』になる」と考え、暴力による報復を戒めた。
こうした経験を持つサックス氏は、学校でのいじめについて「目には目を歯には歯を」という考え方は際限のない悪循環を生み出すと指摘。いじめに対する復讐は自分自身も傷つけることになるとの考えを示した。
また、個人一人ひとりが尊厳を持つ独立した存在であり、他人の視線を気にして萎縮するべきではないと語り、いじめの被害を受けている人たちに対して「自由の戦士は恐れず、泣かない」とエールを送った。
サックス氏はアパルトへイト廃止まで長年にわたって国外で活動していたが、1994年にネルソン・マンデラ政権が誕生すると、憲法裁判所の首席判事に就任。新憲法の起草委員も務めるなど、人種差別のない社会の実現に法の側面から貢献した。
<ネパール地震>山に閉じ込められていた台湾登山者3人救出
ネパールを震源として先月25日に起きた大地震で、首都カトマンズから北へ約130キロの山間部で雪崩に巻き込まれ行方不明になっていた台湾の登山者3人が同29日、救出された。3人はわずかに残っていた塀のそばに身を寄せ、薪を燃やすなどして暖を取りながら、救助隊到着までの4日間を生き抜いた。
22日に英国籍の友人1人と共にランタン国立公園に入った3人は、ランタン谷を歩いていたところを地震に襲われ、海抜3500メートルのランタン村に閉じ込められた。現地には他にも100人余りの被災者がおり、ヘリコプターによる救助が試みられていたものの、悪天候により救出が遅れていた。
救出された台湾登山者の家族によると、3人らは救助されるまでの間、2人に1個のサーディン缶で飢えをしのぎ、ビニール袋で防寒をしたりしていたという。
外交部によると、1日午後1時現在、台湾からの旅行者2人の安否が未だに分かっていない。
歌姫テレサ・テン、時を隔ててフェイ・ウォンとデュエット
今月8日に逝去から20年を迎えるアジアの歌姫、テレサ・テン。中国大陸歌手のフェイ・ウォン(王菲)は、テレサが生前に途中まで録音していた新曲の製作を引き継ぎ、中華圏の2大歌姫の時を越えたデュエットを完成させた。同曲は8日に発売され、収益の全額が公益団体に寄付される。
新曲「清平調」は、中国盛唐期の詩人、李白の同名の七言絶句を基に作られた楽曲。テレサは同曲の一部分をレコーディングスタジオで試し録りしており、その音源は、20年余りにわたり保存されていた。
過去にテレサは自身の音楽啓蒙者だと発言していたフェイ。テレサの名作をカバーしたアルバムをリリースした経験もある。2013年には中国大陸・北京で開催された生誕60周年記念公演で同曲のテレサとのデュエットを披露していた。その後レコーディングが行われ、同曲には新たな編曲により重厚な雰囲気が加えられた。
同曲はテレサの命日にあわせ、8日の午後5時8分に全世界でリリースされる。同時にミュージックビデオも公開される。
中華電信、4G使い放題プラン来年終了方針[IT]
通信台湾最大手、中華電信の石木標総経理は4月30日、第4世代移動通信システム(4G)ユーザーの獲得促進策として実施している「4G使い放題プラン」を2016年5月にも終了する考えを明らかにした。中央通信社などが伝えた。
同日に開催した業績説明会で、石総経理は4G使い放題プランの終了について聞かれ「来年が良いタイミングだ」と答えた。理由として、14年5月に同社が4Gサービスを開始した時のユーザーが2年契約の期限を迎えるためと指摘。契約更新の際には各種の月額料金によって提供するサービスが変わる料金体系を導入する意向を示した。石総経理は、自社の4Gユーザー数が今年2月に200万を突破したと述べるとともに、「年末までに台湾の4Gユーザーが1,000万に達すると仮定した上で、当社は年末までに400万を目指している」とあらためて強調した。同社は、4Gユーザーシェア目標を40%に設定している。
通信各社は4Gサービスの開始以来、使い放題プランを相次ぎ導入しユーザー獲得にしのぎを削っている。4月には中華電信と台湾大哥大(台湾モバイル)、遠伝電信(ファーイーストーン)が、最安値で月額1,000台湾元(約3,900円)以下の期間限定プランを発表した。
■1Qは増収増益
中華電信が30日に発表した第1四半期の連結純利益(親会社の所有者に帰属)は104億5,000万元で、前年同期比2.0%増だった。為替差益や投資先の持分利益の増加が寄与した。売上高は、前年同期比2.6%増の564億7,000万元。うち、モバイル通信事業は280億元で全体の49.6%を占めた。
台湾之星、中国のネット商店・旅行サイトと提携
5月1日の労働節連休中の中国からの観光客需要を視野に、通信大手の台湾之星移動電信(Taiwan Star Telecom)は中国の輸入品専門ネット商店「順豊海淘(SFHT)」、旅行予約サイト「携程旅行網(Ctrip)」と提携し、五日間の容量無制限無料ネット接続と50元(約196円)の無料通話、土産物店の割引券などがもらえる「台湾カード」を打ち出した。利用可能期間は4月29日から5月10日まで。
台湾を訪れた中国人観光客がインスタントメッセンジャー「微信(WeChat)」で順豊海淘の公式アカウントを示すだけで入手できる。期間中には3万人の利用を見込む。昨年に台湾を訪れた中国人観光客は400万人、消費金額は2700億元に達しており、台湾之星は年間14億元といわれる中国人観光客向けプリペイドSIMカードの商機をつかみたいとしている。
「中台の対立は前世紀のもの」台湾与党主席、中国本土を訪問
2015年5月2日、台海網は記事「朱立倫、上海市でフォーラムに参加」を掲載した。
台湾与党・中国国民党主席で新北市長の朱立倫(ジュー・リールン)氏は2日、上海市を訪問した。3日には第10回両岸経貿文化フォーラム(国共フォーラム)に参加する。また4日には習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)と会談する。
朱主席は、出発前の記者会見で「中台の歴史的、感情的なもつれは前世紀のものであり、次世代は平和とWin-Winの関係が求められる」とコメント。野党や社会の訪中批判については、「21世紀も15年目なのに驚くべきことだ」と反論した。
今回の訪中では、復旦大学や北京大学で学生との対話も予定されている。朱主席は1998年に立法委員選挙で当選するまでは大学教員として働いていた。北京大学で客員教授を務めた経歴もあり、「古なじみの友人と会えることを楽しみにしている」とコメントした。
花蓮のカルフールを中国本土客が「占領」
中国本土籍のクルーズ船が27日、台湾の花蓮港に寄港し、2600人の中国本土客が花蓮での観光を楽しんだ。現地のスーパーマーケット、カルフールに多数が流れ込み、大混雑した様子がネット上で紹介された。30日付で台湾ETtodayが伝えた。
現地のネットユーザーが、レジ待ちの中国本土客が長蛇の列を作る様子を撮影した写真をフェイスブックに投稿し、「まるで店内が中国本土客に占領されたかのよう」とコメントした。これが大きな反響を呼び、「私は30分も並ぶ羽目になった」「イナゴの大群みたい」「そんなにカルフールが好きなのか。何でも売っているし、安いもんね」「花蓮のカルフール、売上伸びてよかったね」「本土客のおかげでたくさんの店が生き延びている」などの声が寄せられた。
外国メディアの「世界の独特な宮殿13選」に台湾総統府が選ばれる
台湾・東森新聞雲は29日、国外サイトWHEN ON EARTHが先日発表した、「独特な設計を持つ世界の13の宮殿(Presidential Palaces)」の1番目に台湾総統府が選ばれたと報じた。
「13の宮殿」の1番手として紹介された台湾総統府。文章中では、「台北の重慶南路に位置し、ケタガラン大通りと向かいあう台湾総統府は日本統治時代に建設された。しかし、第2次世界大戦中に破壊され、1946年に再建された。主建築は5階建てで、中央塔は11階建てだ。建物はすべて赤と白の2色からなっている」と説明された。
同サイトで取り上げられた「13の宮殿」は、以下のとおり。
1.台湾総統府
2.インド大統領官邸(ラシュトラパティ・バワン)
3.ポルトガル大統領官邸(ベレン宮殿)
4.ブラジル大統領官邸(プラナウト宮殿)
5.イタリア大統領官邸(クイリナーレ宮殿)
6.韓国大統領官邸(青瓦台)
7.ドイツ大統領官邸(ベルビュー宮殿)
8.ベトナム大統領宮殿
9.米国・ホワイトハウス
10.アルゼンチン大統領官邸(カサ・ロサダ)
11.ロシア・クレムリン宮殿
12.フランス大統領官邸(エリゼ宮)
13.カザフスタン大統領宮殿