2015年5月21日、キヤノンの一眼レフカメラ用単焦点レンズ「EF50mm F1.8」がモデルチェンジした。仕様頻度の高い焦点距離50mm相当の画角とF1.8の明るさを備えながらも、低価格で購入できることから、「撒き餌」レンズと称される定番シリーズの最新モデルで、価格.comの「レンズ」カテゴリーでも大きな注目を集めている。発売日の5月21日には製品ページへのアクセス数が急増し、ユーザーレビュー評価も上々だ。
キヤノン「EF50mm F1.8 STM」は、シリーズ3代目となる単焦点レンズ。初代モデル「EF50mm F1.8」の発売から約25年ぶりのモデルチェンジとなった。人間の視覚に近い焦点距離50mm（35mm判換算）相当の画角と、開放絞り値がF1.8の明るさを備えており、新モデルでは、最短撮影距離が35cmとなって、従来機種よりクローズアップしての撮影が可能になっている。また、7枚の円形絞り羽根を用いることで、自然な円形のぼけが得られるようになり、ステッピングモーター（STM）を新たに採用したことで、静かなAF駆動を実現。AFでの合焦後に、そのままマニュアルフォーカスに移ることができるフルタイムマニュアルフォーカス機構も搭載した。レンズ構成は5群6枚で、最小絞りがF22。フィルター径は49mmで、本体サイズは69.2（最大径）×39.3（全長）mm。重量は約160gだ。
「価格.comトレンドサーチ」で見ると、「レンズ」カテゴリーにおける売れ筋ランキングでは、本製品「EF50mm F1.8 STM」は、5月21日の発売日より約1週間前の5月13日に1位を獲得。発売前にすでに予約が相次いだものと見られる。また、本製品の製品詳細ページへのアクセス数は、5月21日に16,255PV/日に達しており、「レンズ」カテゴリーでは、ここ3か月間で最大のアクセス数となった。なお、5月21日時点での最安価格は、発売時の16,043円より168円安い15,875円で、メーカー希望小売価格の19,500円（税別）より3,625円（約18.5％）安くなっている。
本製品「EF50mm F1.8 STM」に対するユーザーレビュー評価は、5月22日現在で6件が投稿されており、満足度はカテゴリー平均の4.63を上回る満点評価の5.0。全項目でカテゴリー平均より高い評価点となっている。レビュワーのコメントを見ると、「先代より寄れるのは便利です」「最短撮影距離が短くなったことは特筆ですね。インパクトがグッと変わります」「食べ物をおいしそうに撮れるレンズはあまりないので、こういうレンズは助かります」「これからはテーブルフォトでも大活躍することでしょう！」など、最短撮影距離が短くなったことを評価する声が多かった。また、「ボケ味はあきらかにきれい」と、円形ボケの表現力も好評だ。総じて「若干値段は上がりましたが、それでもこの値段でF1.8が楽しめるのは十分に素晴らしい」「実にお買い得」「持っていても損はなし！」と、コストパフォーマンスの高さを評価する人も多く見られた。
このように、エントリー向けの仕様ながら、幅広いユーザーから人気を集める本製品。本製品が発売された5月21日には、「レンズ」カテゴリーにおけるアクセス数の割合で、キヤノンがニコンを大きく上回った。同日のキヤノンのPVシェア率は26.37％で、ニコンの16.41％より10％近く高くなっており、本製品の発売がメーカーの注目度に与えた影響の大きさがうかがえる。低価格ながら、コンパクトなボディに高いポテンシャルを備えた本製品。シリーズ初代から約四半世紀を経ても廃れないその人気は、しばらく続きそうだ。