李登輝・元総統、7月訪日か
李・元総統が7月に日本を訪問すると伝えられている。日本の時事通信社が25日、台北発で報じたところによると、李・元総統は7月末に、東日本大震災の被災地、宮城県や福島県などを訪問し、東京で講演を行う予定だという。
時事通信によると、李・元総統は7月21日から26日にかけて日本を訪問する。李・元総統は、東京の外国人記者クラブで講演を行うほか、宮城県仙台市の仮設住宅や先進的な技術でがんを治療している福島県郡山市の施設も参観するという。
李・元総統は、2007年5月末から6月上旬にかけて、俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人、松尾芭蕉の足跡をたどって「おくのほそ道」を旅した際、宮城県を訪れたことがある。2011年3月11日、東日本大震災発生後、李・元総統は、被災地を訪問したいとしていた。
同報道では李・元総統には持病の心臓疾患があって7月末に日本訪問を実現できるかどうかは、主治医に相談してから最終判断してもらうとも報じている。
台湾新幹線の運賃値下げ、12月1日より実施
台湾高速鉄路(新幹線)は25日の役員会で、年末の苗栗、雲林、彰化3駅の供用開始に合わせ、来年1月に予定していた運賃の値下げを12月1日から前倒しで実施すると発表した。
これにより台北-高雄(左営)間の運賃は現行の片道1630台湾元(約6500円)から1490元(約6000円)になる。これは2013年10月の改定前に相当する料金水準で、毎日約13万人が恩恵を受けるとみられる。
役員会ではまた、5月下旬に立法院(国会)交通委員会を通過した財務改善案を承認。内訳は資本金の約60%にあたる392億元(約1560億円)の減資や、高鉄建設基金と政府系金融機関が負担する増資などで、増資金額は300億元(約1200億円)に上る。
改善案により持株比率は政府系が63.9%、主要民間株主が17.4%となり、事実上政府が経営の主導権を握る。
台湾・高雄ガス爆発事故で負傷の女性警察官 心境つづった文章に応援の声続々
南部・高雄市の市街地で多数の死傷者を出した大規模ガス爆発事故の発生から11カ月近くが過ぎた。街の復興は進んだが、被害者らは現在でも懸命のリハビリを続けている。現場に居合わせ全身に大やけどを負った女性警察官は23日、当時の状況や現在の心境をつづった文章を公開。これに対し、多くの人から応援のコメントが寄せられている。
若手警察官の林恵ブンさんは昨年7月31日深夜、交通整理中に事故に巻き込まれた。突然の爆発で四方を火に包まれた穴に落ちた林さんは「まだ制服を着ているのだから、きちんと仕事をせねば」と穴から這い上がり、周囲に注意を呼びかけ続けた。しかしすでに制服は破れ、靴も一足しか履いていないボロボロの状態で、通りかかった人によって病院に運ばれた。(ブン=雨かんむりに文)
林さんは仕事や外見などに不満を抱えていた事故前の自分を振り返った上で、過去の状況がどれほど素晴らしいものだったか分かったと語った。現在では「今回の事故を福とするか災いとするかは一つの考え方に過ぎない」と考えるようになったという。
自身の経験により、「現在を大切にすること、物事の捉え方を適宜変えることを他の人にも学んでもらいたい」と話す林さん。また制服を着て多くの人を手助けできるようになる日を待ちわびていると未来への期待を示した。
フェイスブック上に投稿された文章を見た人からは、「がんばれ」「前向きな姿勢によって勇気をもらった」「勇者・天使とはあなたの名前だ」などと励ましのメッセージが送られている。「いいね」数は26日午前11時現在、1万5000を超えた。
台湾・台北市警、経費削減で4派出所統廃合 「多機能パトカー」も導入へ
台北市政府警察局の大同分局管轄下にある4派出所が7月1日から2つに統廃合される。柯文哲・台北市長が進める市警改革の一環だ。廃止される派出所跡地は別の用途に有効利用される見込み。また、今月30日には多機能パトカーを新たに導入予定で、市警では治安向上につなげたいとしている。
派出所の統廃合は、経費削減を目指し、規模の小さい場所を対象に検討されていた。派出所1カ所の廃止で年間約500万台湾元(約2000万円)の節約につながると柯市長は試算している。
一方の多機能パトカーは、これまでトラブルや問題発生時に派出所へ赴く必要があった不便を解消し、出動先の車内で聴取などが取れる「移動派出所」としての機能を持つ。当面は試験運用期間とし、状況を見ながら今後の増備の可能性を検討する方針。
医薬品7品目に回収命令、変色・異物混入・食品原料使用で
衛生福利部食品薬物管理署(食薬署)は25日、胃薬、軟膏、点眼薬、注射用バンコマイシンなど7品目の医薬品について、1カ月以内の回収完了命令を出した。うち、杏林新生製薬と新隆薬品の胃薬と皮膚用軟膏は原料薬の違反で、純度が不十分な食品用原料を使用したもの。
また、安定性試験で不合格となったのは3品目で、新喜国際企業の止瀉薬は錠剤が崩れやすく薬効に影響の恐れ、中美兄弟製薬の点眼薬は変色、優良化学製薬の注射剤は異物混入などの問題が認められた。これらの医薬品は、各業者が異常を発見し、自主的に通報・売場からの撤去を行ったもので、食薬署は原因調査後に処分について決める。市場には代替薬があるため、大きな影響はないという。
王建民、米独立リーグ初登板で白星 メジャー復帰にはずみ
元大リーガーの王建民投手(35)が25日、米独立リーグ初登板初先発を勝利で飾った。8回2/3を投げ、安打を11本も打たれたが、失点を2に抑えていいスタートを切った。
台湾出身の選手として最多のメジャー通算62勝を挙げている王。渡米16年目となる今年は、今月19日にブレーブス傘下のマイナー、3Aグウィネットを自由契約となったが、同23日には独立リーグ、アトランティック・リーグのサザンメリーランドに入団。
王は試合後のインタビューで、「(2013年以来の)メジャー復帰の日が来るか分からないが、投げられる限り自分への挑戦を続けていきたい」とコメントした。
試合はサザンメリーランドがヨークに3-2で勝利した。
台湾の選挙は自由で公正 米人権報告書で高い評価
米国務省は25日、2014年の各国・地域の人権状況をまとめた人権報告書を公表した。台湾については国や地方自治体選挙のいずれも公正かつ自由に行われているとし、透明性があり信頼に値すると評価した。その一例に昨年11月29日に実施された統一地方選挙が挙げられている。
また、中国大陸とのサービス貿易取り決め反対のため、学生らが昨年3月に立法院(国会)議場を占拠した、いわゆる“太陽花(ひまわり)学生運動”を国民による集会・結社の自由が尊重されている証として取り上げた。
公平な審判や公開裁判など司法面に関しては、汚職の撲滅や司法への政治介入排除などに対する取り組みを紹介する一方で、依然多くの問題が残っているとした。
鴻海・郭会長、日台協力で“打倒韓国” シャープとの提携になお意欲
鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)会長は25日の株主総会で、シャープとの提携について、鴻海がパネルの分野で世界一になるには、韓国・サムスン電子に追いつき、追い越さなければならないが、もしシャープと協力できればその差は縮まると語った。
郭氏はさらに、日台の産業は互いに補う関係にあり、台湾の技術提携の相手には韓国より日本の方がふさわしいとの考えを示した。一方、韓国は「血まみれの競争相手」だとし、日本企業との協力強化で韓国勢に対抗する姿勢を見せた。
鴻海はこれまでスマートフォン事業での協業や堺工場(現・堺ディスプレイプロダクト)への出資などで、シャープとの関係を深めてきた。だが、経営再建中のシャープとの資本提携は現在に至るまで実現していない。
郭氏は提携について、辛抱強く待つとしている。また、双方には協力してきた実績があり、その関係は続いていると強調、今後の見通しに関しては楽観視していると述べている。
昨年の平均賃金、増減は「M字型」の様相鮮明[労働]
台湾財政部(財政省)はこのほど、過去3年における被雇用者の平均賃金の変動を、ビッグデータを活用してまとめた初のリポートを発表した。2014年の平均賃金は月4万8,715台湾元(約19万4,500円)で、前年比では3.8%増。ただ増減については10%以上の昇給が全体の28.6%を占めた一方、22.8%が減給となっており、大幅増か減少かに分かれる「M字型」が続いていることも分かった。
財政部と労動部(労働省)が保有する所得や給与区分別の保険料などのデータを基に、公務員を除く約484万人分の平均賃金と変動状況をまとめた。平均賃金は基本給に毎月の固定手当などを含めた「経常性賃金」と、残業代やボーナスなどの「非経常性賃金」を合計して算出。12年は4万7,619元(前年比0.2%増)、13年は4万6,921元(1.5%減)だった。
賃金が前年比で10%以上増えた人の割合は12年が24.8%、13年が18.7%。また減った人の割合は12年が31.1%、13年が40.8%で、大幅増と減少の合計は3年連続で50%を上回った。
14年には年間収入が120万元以上の高所得者層のうち、賃金が前年比で10%以上増えた人の割合が全体の29.6%、減少した人の割合が30.0%に達しており、合計では59.6%と全体の6割に迫った。財政部は「特に高所得者層の間で、大幅増か減少かの二極化が鮮明だ」と指摘した。
行政院(内閣)の張善政副院長は「今後も分析を続け、業種や企業ごとに賃金の最低水準を割り出した上で、指導や支援を行う際の参考にしていきたい」とコメントしている。
毛治国・行政院長、節電呼びかけ
電力の備蓄容量が低い水準にあり、行政院の毛治国・院長が節電を呼びかけている。経済部は25日、行政院の閣議で、台湾電力の予測などを引用して、「今年の夏の電力供給の状況」を報告した。台湾電力によると、7月における電力の備蓄容量は5%に下がり、そしてさらに2.2%までに下がる可能性もあるという。
それを受けて、毛・行政院長は、6月、台湾では高温の日が続き、それに加えて新北市林口にある林口発電所が廃止されたため、今年の夏の電力供給は非常に厳しい状況にあると指摘、発電所の大型発電機が発電できない場合、電力の供給が困難に陥り、工業と国民の生活に影響を来たすとして、国民全体に対して節電を呼びかけた。
行政院の孫立群・報道官は、毛治国・院長の指示として、「経済部の資料によると、今夏の電力の備蓄容量は2%までに下がる可能性がある。そのため、例えば、台湾中部の雲林県麦寮発電所のある発電機が急に発電できない場合、電力の供給が不足することになる。麦寮発電所の発電量は、台湾の発電量全体の10%から11%を占めているからだ。そのときになって、工業用の電力だけでなく、国民の生活もその影響を受けることになるだろう。これは単なる警鐘だけではなく、常態化する可能性がある」と警告を発している。
なお、台湾電力の朱文成・総経理が24日に明らかにしたところによると、これまで、消費電力のピーク時は7月と8月にあったが、今年は5月の下旬からピーク時の消費電力が相次いで記録を更新している。6月1日から15日までの消費電力は昨年の同じ時期に比べて8.31%増加した。そのため、台湾電力は、消費者に対して、正午12時から午後3時までの間のクーラーの温度を引き上げ、共に節電に取り組むよう呼びかけている。
台湾初の高齢社会白書、大枠まとまる
行政院が25日の閣議で、台湾で初となる、高齢社会白書の大枠を発表した。将来、各部会は健康、幸福、活力、フレンドリーの4大主軸を目標にシニア産業政策を策定し、医療介護、長期的な介護制度の確立、シニア層の社会への参与、シニア産業などから着手する。
行政院の毛治国・院長は、衛生福利部に対して、高齢化社会の到来に対応して退職年齢の引き上げを白書に組み込むよう指示した。これに対して、衛生福利部の蒋丙煌・部長は、台湾の65歳以上の高齢者人口の労働参加率は8%だと説明、シニア層の労働力を生かせるよう関連計画を立てていくことを約束した。
中国から関空に覚醒剤8キロ密輸 容疑の台湾人ら3人逮捕
中国から関西国際空港に覚醒剤約8キロ(末端価格約5億7千万円)を密輸したとして、大阪府警は26日、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで台湾人の男3人を逮捕、大阪地検が起訴したと発表した。
税関によると、関空で摘発された覚醒剤としては過去4番目の押収量。逮捕、起訴されたのは台湾籍で住所不定、職業不詳の梁健盛被告(31)ら。
起訴状などによると、第三者と共謀し3月31日、中国・広州から覚醒剤約4キロを航空貨物に隠して発送させ、関空に密輸したとしている。
府警などによると、覚醒剤はパソコン用の冷却器とする機器の内部に隠され、4月1日にも広州から約4キロが関空に密輸された。密輸の情報を得て貨物をチェックしていた税関がX線検査で発見した。
被告らは3月に入国し、東京都内に滞在。「違法薬物の受け取り役だった」と容疑を認め、「1回5万円」などと報酬額なども供述。府警は背後に大がかりな犯罪組織が関与しているとみて捜査している。