<娯楽施設火災>負傷者500人超 「突然一面が火の海に」
台湾北部・新北市の複合レジャー施設「八仙水上楽園」で27日夜起きた火災。衛生福利部のまとめでは、少なくとも510人が負傷し、そのうち183人が集中治療室で治療を受けている。日本の対台湾窓口機関、交流協会台北事務所によると、日本人2人もけがをしたという。目撃者は「突然一面が火の海になった」と発生当時の様子を語った。
▽突然の炎に現場はパニック状態
火災発生時、現場ではカラーパウダーを多用した屋外イベントが行われていた。午後8時30分ごろ、ステージ傍の装置から大量のパウダーが勢いよく噴出すると間もなく火の手が上がり、数百人が集まっていたダンスフロアが一瞬にして炎に包まれた。
現場に居合わせた人は「はじめは演出かと思った」と振り返る。多くの人がやけどを負い、火だるまになった人も見たという。別の目撃者は「現場はパニック状態で、悲惨だった」と恐怖の瞬間を話した。
直後には大量の負傷者に救急搬送が追いつかず、プールに飛び込んで救助を待つ人の姿がみられたほか、大型の浮き輪や荷物運搬用の台車に載せられて病院に担ぎこまれる人もいた。
▽消防は火元の特定急ぐ
台北栄民総医院によると、負傷者のうち3人は全身の約90%をやけどする重傷を負っているという。
警察ではイベントの責任者らの身柄を拘束。業務上過失重大傷害や公共危険の罪などで送検した。新北市政府消防局の関係者は、電気や機械系統のほか、タバコの火による出火も視野に入れて火元の特定を急いでいる。
また、行政院(内閣)の毛治国院長(首相)は28日、安全性が確認されるまで、カラーパウダーを使ったイベントを禁止すると発表した。
台北近郊の遊園地で火事 150人以上が負傷
台北近郊のウォーターパーク、「八仙水上楽園」(新北市八里)で27日夜、大規模な火事災害があった。地元の消防当局によると、75人が全身やけどなどの重傷を負ったほか、軽いけがをした人も92人に上ったという。
地元メディアによると、けが人は約470人に上り、うち約140人が重傷。日本の対台湾窓口「交流協会」によると、30歳代と20歳代の日本人女性2人が全身にやけどを負って病院に運ばれた。意識はあるという。
施設ではこの日、大勢の若者が参加し、カラースプレーを吹き付けるイベントが行われていた。演出でステージから観衆に向かってまかれた粉が可燃性だったため、引火して爆発した可能性があると報道されている。地元テレビは、現場が一瞬で火に包まれる映像を流している。当局は主催者の身柄を拘束し事情を聴くなどして、原因を調べている。
今回の事故を受け、新北市では消防士172人、救急車70台を出動したほか、隣接する台北市や軍も人員などを派遣し、負傷者の救出などにあたっている。
日本統治時代の宿舎利用した宿泊施設、新館がまもなくプレオープン
日本統治時代の宿舎を利用した宿泊施設が人気を集めている「花蓮観光糖廠」で25日、新たに修復された新館のお披露目式が行われた。7月からプレオープンする。
花蓮観光糖廠は旧塩水港製糖の工場(戦後、台湾糖業が接収)跡地で、広大な敷地内には日本統治時代の1934(昭和9)~1936(同11)年に建てられた宿舎32棟73戸が残されていた。戦後長らく放置されていたが、保存を求める声の高まりを受けて7棟28戸が修復され、2011年から宿泊施設として利用されている。
今回お披露目が行われたのは、当時の幹部職員が使用していた宿舎8棟16戸で、それぞれ100坪の庭園が備わっているという。
花蓮観光糖廠の関係者は、周辺には日本統治時代の施設なども残されており、敷地内でのんびりとしたひと時を楽しんでほしいと語っている。
米国開催の国際競技大会、台湾選手が国旗を手に入場 中国大陸の圧力に屈さず
警察官と消防士のオリンピックといわれる「世界警察消防競技大会」の開会式が26日、米首都ワシントンで行われ、台湾からの参加者が中華民国国旗を手に入場した。式典には中国大陸の選手も出ており、双方の旗が会場を舞った。
ワシントンで開かれたスポーツ大会において、両者の旗が同時に姿を見せた例はこれまでほとんどなかった。消息筋によれば、今回の大会でも、主催者に対する中国大陸の圧力があったという。
式典には在米の台湾出身者らも駆けつけ、国旗を振りながら観客席からエールを送った。また、香港の選手からは「台湾頑張れ」との声が上がり、手にした携帯電話で中華民国国旗を写真に収める姿が見られた。
一方、大会の参加名義については、オリンピックと同様「チャイニーズ・タイペイ(中華台北)」での参加となっている。
世界警察消防競技大会は1985年から2年に1度開催されており、今年は台湾の選手43人を含む約1万2000人が参加する。