現代快報は4日、韓国人研究者が米国でエイズワクチン研究の成果を捏造して刑事起訴され、1日に実刑判決を受けたと報じた。
この58歳の韓国人研究者は2008年、オハイオ州クリーブランド市にあるケース・ウェスタン・リザーブ大学でエイズワクチン研究プロジェクトに参加。研究グループは、ウサギの体内でエイズウイルスの抗体が生産されることを発見し、学術界では大きな成果として認められた。
しかし、この研究結果は捏造だったことが発覚した。13年にハーバード大学で検証実験が行われた際に不審点が見つかり、米国政府が調査を開始したところ、研究者が捏造を認めた。
この研究者は、抗体のあるヒトの血とウサギの血を誤って混合したうえで、ウサギの体内で抗体が生産されるとの実験結果を導き出してしまったと供述。誤りに気づいたものの、「研究指導者を失望させたくない」との理由から報告せずに隠ぺいし続けたという。
捏造発覚後、米当局はこの研究者に対して米連邦政府が資金援助する研究プロジェクトへの参加を3年間禁止する処分を発表し、学校も政府に研究者の報酬を返還した。
さらに、米上院議員が処罰の軽さを指摘、マスコミからも注目を浴びたことで、連邦検察当局は研究データの捏造、虚偽報告による政府補助金の獲得という2つの罪名で研究者を刑事起訴した。
裁判では、研究者の弁護側は本人が反省していること、すでに研究者としてのキャリアが破たんしたことで社会的制裁を受けていることから減刑を要求した。しかし、裁判所は1日に4年9カ月の懲役刑と720万米ドル(約8億8000万円)の研究経費返還を言い渡した。