クロアチアサッカー界の“ドン”が逮捕された。2日、米『ESPN』を含む複数のメディアが報じている。
ディナモ・ザグレブのCEOを務めるズドラブコ・マミッチ氏と、その弟であり同クラブの監督を務めるゾラン・マミッチ氏が詐欺容疑で逮捕された。両名は税金詐欺によって1540万ユーロ(約21億円)の損害をザグレブに与えたとみられている。また、現レアル・マドリーのMFルカ・モドリッチがトッテナムに移籍した際には680万ユーロ(約9億円)を着服した疑いがかかっている。
ズドラブコ・マミッチ氏はかねてよりクロアチアサッカー界を牛耳る“ドン”とみられていた人物だ。同氏はディナモ・ザグレブのCEOだけでなく、「マミッチ・スポーツ・エージェンシー」という代理人業を行ない将来性ある若手を次々に囲い込んできた。近年、ザグレブから羽ばたいたモドリッチ、マテオ・コバチッチらが象徴的だ。
しかしながら、その強硬な権力行使からディナモ・キエフのMFニコ・クラニチャールや、元アーセナルのエドゥアルド・ダ・シルバと衝突したことで話題となっていた。エドゥアルドはブラジルより16歳でクロアチアに渡った際に、「生涯を通して収入の20%をマミッチ氏に払う」という個人契約にサインさせられたという。
今回の両名の逮捕はクロアチアサッカー界だけでなく、欧州に大きな影響を及ぼしそうだ。今後の展開に注目が集まる。