中国人観光客の買い物の新たなターゲットとなっているのが、「神薬」の異名が付けられた日本の常備薬。日本から中国人観光客を奪取しようと、トルコ、インド、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、シンガポール、イタリア、フランスはビザ緩和措置を決め、デパートなどは中国人観光客の案内役として中華系のスタッフを店舗に配置したりしている。
中国のある女性会社員は「欧州に行けば高級品が驚くほど安く買える。(国内との差額で)飛行機代だって元が取れるほど。韓国では損になるから韓国ブランドの化粧品は買わない。日本は家電製品が充実しているから、これは絶対に外せない」と話す一方、「海外旅行を重ねるうちに買い物への情熱はかなり冷めてきた。過去の戦利品だってまだ使い切っていない」と語る。
これに対し、ある旅行会社の関係者は「これまで、出発前に耳にした情報に惑わされ、現地で『セール』の看板に飛びついてしまう消費者が多かった」と指摘。別の関係者は「最近は個人旅行の形で海外に旅行する人が増えている。こうすれば、インターネットの口コミを頼りに自分で店を選び、品定めに時間をかけることができる」とコメントしている。