いまごろ頭を抱えている人も多いことだろう。先日、「アシュレイ・マディソン」なる会員制サイトがハッキングされ、一部情報が流出する騒ぎがあった。実はこのサイト、既婚者向けの出会い系ソーシャルネットワークサービス(SNS)で、仮に個人情報が公になれば「私は不倫に興味があります」と満天下に恥をさらすことになりかねないのだ。さらにネットナンパの達人は「利用者は別の意味でもイタい」と話す。さて、そのワケは-。(夕刊フジ)
日本人の会員数「180万人」
かつて「不倫は文化だ」と発言した俳優がいたが、実際に配偶者以外に興味を持つ人は多いらしい。アシュレイ・マディソンの運営会社があるカナダの首都オタワでは5人に1人が会員であるとされ、世界中で3700万人が「人生一度。不倫をしましょう」をキャッチコピーにする同サイトで異性を探しているという。日本人の会員数は180万人といわれる。
登録料や月額費用はないが、ポイントをクレジットカードで購入する必要がある。最低料金は約1万2000円で、このポイントを使いながら会員とメールやチャットなどをして、好みの異性を探す。世界中の会員から異性を検索できるとうたっている。
ところが運営会社は21日までに、システムがハッキングされ、会員の個人情報が流出していることを確認。ハッカー側はSNSの閉鎖を要求し、従わなければ今後、会員の実名や裸の写真、クレジットカード情報などを公表すると脅迫しているという。実行犯の主張には「浮気は最低だ」との非難も含まれており、思想信条に基づいた犯行とみられている。
もちろん、前述の俳優のように居直れるタフな人はまれだ。最近、周囲に顔色が優れない人がいたら、ひょっとすると同サイトの会員なのかもしれない。
「官公庁のサイトですらハッキングされる時代だ。不倫目的の出会い系サイトが安全だと勘違いしている時点で、利用者は認識が甘すぎる」
そう話すのは、「体験ルポ 在日外国人女性のセックス」(光文社)の著書があるフリーライターの出町柳次氏。出町氏は女好きが高じ「国連加盟国すべての国の女性を制覇」を掲げる人物で、現在はインターネットを通じて外国人女性と“夜の国際交流”を続けている(現時点で60カ国)。
「出会い系」では、実は出会えない
出町氏は別の意味でも問題点を指摘する。
「出会い系サイトは、アダルト色が強いほど女性は参加しづらくなる。『不倫』と銘打つ以上、それはなおさらのこと。サイトのなかの女性はいわゆるサクラである可能性もある。出会い系とうたうサイトは、実は出会えない。少なくとも、私はそうしたサイトで会えたためしがない」
そんな出町氏はどこで出会っているのかというと、意外にも「Facebook」をはじめとした一般的なSNSという。
「健全なサイトであれば、数十人にメッセージを送って返事がくるのは1~2人。そのなかで会って一戦交えることができるのは1割程度。逆にやたらと返事がくるサイトは怪しいとみたほうがいい」(出町氏)
濡れ手で粟などという甘い話は転がっていないようだ。