JR池袋駅近くの歩道で乗用車が歩行者5人をはねた事故で、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで逮捕された東京都北区の医師・金子庄一郎容疑者は「こころの問題」を解決する産業医をしていたようだが、その実態ははっきりしない。
院長を務める診療所に電話をしても応答はなく、週2日を除いて休診だったようだ。求人サイトの会社情報では、従業員数も0人となっていた。
「いまいちばんの課題は、『こころの問題』です」
金子容疑者が経営する医院は北区王子にあり、同区医師会のサイトにも掲載されている。それによると、内科、小児科、消化器科、胃腸科、循環器科を行うとしているが、休診日は月~水、金、日曜となっている。診療時間は木曜と土曜の午前中のみだ。
求人サイトで看護師の募集をしているが、会社情報の項目で従業員数が0人になっている。実際にJ-CASTニュースは同院に何度か電話をしてみたが、応答はなかった。
産業医として労働衛生のコンサルタント事業も行っていたようだ。医院のサイトでは大手企業での実績をアピールし、
「当事務所では、産業医、労働衛生コンサルタント、および産業カウンセラーの立場から、元気な会社作りを応援しています」
などと書いていた。また「いまいちばんの課題は、『こころの問題』です」とし、
「職場におけるメンタルヘルスケアを考えることは、すべての企業の緊急の課題のひとつです」
と売り込んでいた。サイト内で「実績」の1つとして記載されている、ある病院に勤務時の様子を聞いた。「5年以上前に数年在職したが、すでに退職している」とし、くわしい状況は分からなかった。
アルコールや薬物は検出されていない
警視庁によると、事故で41歳の女性が亡くなったほか25~71歳の男女4人が重軽傷を負った。2015年8月16日21時34分ごろ、JR池袋駅付近にある地下の駐車場から発進し、そのまま歩道に乗り上げたとみられる。
金子容疑者からアルコールや薬物は検出されていないようで、「疲れて居眠りしたので、覚えていない」などと供述しているという。