群馬県太田市は18日、市内に建設中の「おおたBITO 太田市美術館・図書館」のロゴについて、デザインの模倣がないかなどを調査することを明らかにした。ロゴのデザインは、2020年東京五輪公式エンブレムを制作したデザイナー、佐野研二郎氏(43)が担当した。
「おおたBITO」は太田市の新たな駅前文化複合施設として、図書館機能や美術館機能を活用した文化交流などを目的に建設するもので、2017年10月に完成予定。施設のロゴは佐野氏が今年3月に提案。6月末に採用することが決まった。建物が円で覆われていることと、「人々の輪」をイメージして、円と直線のみでデザインされている。
だが、7月に発表された佐野氏デザインの五輪公式エンブレムについて、ベルギーの劇場が、同劇場のロゴと酷似しているとして提訴する騒動に発展。さらに、佐野氏がデザインしたサントリーのキャンペーン賞品の一部にデザイン模倣が発覚して、一部が取り下げとなった事態となり、太田市は、専門家に調査を依頼することを決めた。
ただし、デザインはローマ字と円のみからなるシンプルなもので、同市は模倣の可能性は少ないとみており、同市文化スポーツ総務課は「商標登録などを行う上での念のための調査で、どこかから模倣の指摘を受けたわけではない」としている。