バンコク(CNN) タイの首都バンコク中心部にある「エラワン廟(びょう)」で17日発生した爆弾テロ事件で、同国の警察当局は20日、犯行には少なくとも10人が関与している可能性があることを明らかにした。
一方、タイ軍政の報道担当者は事件に国際テロ組織が絡んでいる可能性は少ないと指摘した。
国家警察庁のソムヨット長官は大規模な犯行グループの仕業との見方を示した。爆弾製造材料の調達、犯行現場の偵察、実行犯の世話係や逃走経路への誘導などを担当していた者がいたであろうと指摘した。
事件では、監視カメラの分析などで実行犯と見られる男を割り出し、似顔絵を公開して情報提供を呼び掛けている。捜査当局はまた、実行犯と共に行動していた男の共犯2人の行方を追っている。
犯行声明は出ていない。タイ当局は犯行の動機についても同国の産業と観光業の妨害を狙った個人もしくは集団の仕業とのあいまいな表現にとどめている。
国家警察庁のプラウット報道担当者はCNNの取材に、外国人との見方もある実行犯の出国の有無に関する情報を当局は把握していないと述べた。
同報道担当者によると、爆発したのは車輪の軸受け部品などが詰められたパイプ爆弾とみられる。爆弾の部品の多くはタイ製と判明し、爆弾は国内で組み立てられたものと見ている。
事件では20人が死亡し、120人以上が負傷した。CNNの安全保障問題担当アナリストはパイプ爆弾でこれほど多数の死傷者が出るのは異例と指摘。用いられたパイプ爆弾が極めて精巧なつくりだった可能性を示唆した。