ブダペスト(CNN) ハンガリーの首都ブダペストで1日、列車で国境を越えてオーストリアやドイツへ向かおうとした大量の移民や難民に対し、警官隊がブダペスト東駅を一時封鎖して移動を阻止する措置に出た。
難民の多くはシリアやイラクの紛争を逃れ、難民認定を求めて陸路で西欧を目指している。移動の途中で催涙弾やスタンガンを使われたり、犯罪組織に搾取されたりすることもある。一方、ドイツやギリシャでは、食料や水を配るなどの待遇で接している。
シリアから来たという男性は東駅で「ここへ来て5日になる。食べ物も寝る場所も何もない」と語り、切符を持っているのに列車に乗せてもらえないと訴えた。
欧州に押し寄せる難民の受け入れについて、ドイツのメルケル首相は31日、欧州連合(EU)諸国の間で「公平に分担」すべきだと呼びかけていた。東駅に集まった人たちからは、「メルケル、メルケル」と叫んでドイツに助けを求める声も巻き起こった。
東駅の広報によると、1日は大勢の移民が詰めかけたことから午前9時半ごろ、約1時間にわたって列車の運行を見合わせた。駅に入場しようとする乗客は、警察が切符とパスポート、ビザをチェックした上で、書類が整っていれば入場させているという。
一方、ドイツのミュンヘンでは同日午前の時点で駅に数百人が集まってバスに乗るのを待っていた。警察によると、この日は既に400人あまりが到着したという。待っている人たちにはボランティアが果物や水を配布。CNNが取材したほとんどの人は、シリアからの難民だった。
EU諸国は7月、多くの難民が押し寄せているイタリアやギリシャの負担を軽減するために、3万2000人を超す難民の受け入れで合意した。EUの移民担当委員は、年内にはさらに8000人の受け入れを求めることになるとの見通しを示している。