B型慢性肝炎治療薬「テノゼット」(一般名・テノホビル)が、中国・天津市で起きた爆発事故の影響で、患者への提供に支障が出ていることが分かった。
被災した工場の操業再開のめどが立たず、製造販売元のグラクソ・スミスクライン(GSK)が出荷調整を始めた。
テノゼットは、B型肝炎ウイルスの増殖を抑える薬で、昨年5月に発売された。日本肝臓学会のB型肝炎治療ガイドライン(指針)で、最初に選択すべき薬の一つになっており、約7000人の患者が服用している。
GSKによると、8月末時点の在庫は約2か月分。安定供給の再開に向けて、中国以外からの製品輸入などで対応することを検討中という。
これを受け、同学会は会員に対し、当面の間、新規患者への処方を控えることや、テノゼット服用中の患者には長期処方を避けることなどを求めている。