オーストラリアの16歳の少年が中国製の合成幻覚剤を使用後、意識が朦朧とした状態で建物から飛び降りて死亡した。その父親が「敵」を取るべく「オーストラリアマフィア」を装い、中国・安徽省に赴いて幻覚剤販売業者との取引の様子を録画した。英デイリーメイルの14日付報道を、中国広播網が15日報じた。
少年はインターネットで知り合った人物から合成幻覚剤25i-NBOMeを購入。服用後に「自分は空を飛べる」との幻覚に陥り、ベランダから飛び降りて死亡した。
その後父親がマフィアを装って自ら安徽省合肥市に赴き、現地の販売業者と商談を実施。その様子をビデオに収めた。映像では、業者が「少なくとも5種類の合成幻覚剤をオーストラリアに運ぶことが可能で、うち1種類は200キログラム以上用意できる」と語ったこと、1週間以内に出荷可能であるとしたこと、「オーストラリアへの輸送は経験がある。税関がどうするか分かっている。心配ない、オーストラリアは安全だ」と説明したことが明らかにされた。
父親は撮影したビデオを公開してもらうべく、オーストラリアのドキュメンタリー番組スタッフに連絡。「われわれは今津波の水際にいる状態。多くの幻覚剤がオーストラリアに運び込まれている。これをすべて止めさせなければならない」と訴えているほか、このビデオが新設されたオーストラリア国防部隊にさらなるアクションを起こさせ、幻覚剤輸入への厳しい取り締まりが行われることを望んだ。
オーストラリアの専門家は、現在合成麻薬がすでに現地市場に蔓延していること、合成麻薬は覚せい剤より危険性が高いと証明されていることを挙げて警告している。