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牛乳石鹸「関西は赤、関東は青」の理由

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箱に牛のマークがついた、あの石鹸。あなたが使っていたのは赤い箱に入った商品でしたか? それとも青い箱でしたか? 牛乳石鹸(本社・大阪市)の「赤箱」と「青箱」。関西では赤箱、関東では青箱が人気なんだそうです。その背景には、ライバルに対抗しようと立てた作戦がありました。



歴史が古いのは赤箱

 全国的な販売量は青の方が多いそうですが、地域によって差があるそうです。関東では青、地元の関西では昔から赤が根強く人気だといいます。

歴史が古いのは赤箱で、1928年の創業当時から発売されています。青箱が追加されたのは終戦後の1949年。本社がある西日本を中心に売り上げを伸ばしていた赤箱ですが、東日本ではすでにライバル会社の商品が普及していて、なかなか浸透できなかったそうです。

「普及版」と位置づけた青箱

 そこで企画されたのが青箱。赤箱がローズ調の香りなのに対し、青箱はジャスミン調の香りに。ソフトな泡立ちで、さっぱりすべすべ肌に洗い上げる点が特徴です。

 製品の特徴だけでなく、分量と価格も違います。赤箱よりも分量を減らすことで価格を低く設定し、「普及版」と位置づけたのです。マーケティング担当者は「少しでも手にとっていただける機会を増やすべく、分量を減らすことで他社製品に対して価格優位性も持たせたのです」と説明します。

この結果、もともと浸透していた関西では赤箱が、価格を低く設定して新たに普及した関東では青箱が人気になり、今に至るというわけです。

どうして赤色なのか?

 そもそも、どうして赤なのか? ホームページで以下のように説明されています。

 「『赤』は、古くから日本をはじめ中国などでも縁起の良い色とされていることや、赤い箱から真っ白な石鹸が出てくるという視覚的なおもしろさなども考慮して決まりました」

 青箱については「赤の次は青だろう」といった感じで、特別に深い意味はないそうです。

なぜ牛なのか?

 ここまで聞くと、なぜ牛なのかということも気になります。もちろん、原料に牛乳からつくったミルクバターを使っていることに由来していますが、こんな意味も込めたそうです。

 「『商いは牛の歩みのごとく』とは古くからいわれている格言で、これは前へ進んでも後ろへ退くな、ねばり強く前進せよという意味です。堅実な経営のもと、誰からも愛される製品を提供しよう!という企業理念からも、まじめで親しみのある牛が選ばれました。以来、牛のマークは社のシンボルとしてたいせつにされています」






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