横浜市都筑区の大型マンションが傾いている問題で、杭(くい)うちを行った際に現場責任者がデータ取得に失敗したため、つじつまを合わせるためにデータを偽装したとみられることが新たにわかった。
杭うち作業を行った旭化成建材の親会社である旭化成によると、データの転用や加筆があった杭は38本で、このすべてに現場責任者の男性社員が関わっていたという。旭化成では社内調査委員会を立ち上げ、この現場責任者から話を聞くなどして、データ偽装の経緯を調べているが、これまでの調査の結果、現場責任者が杭うち作業の際に何らかの理由でデータの取得に失敗し、つじつまを合わせるために他の棟のデータを転用したり、支持層の深さに関するウソのデータを手書きで加筆するなどしたとみて調べているという。
問題のマンションでは16日夜も住民説明会が行われるが、杭うちを担当した旭化成建材の前田富弘社長が初めて出席し、住民に直接謝罪するという。