イランの核開発計画を巡って米国など6カ国とイランが合意した「包括的共同行動計画」が、18に発効日を迎えた。
ただしイランがこの日をもって遠心分離による核燃料濃縮の縮小に踏み切るわけではなく、欧米諸国がイランに対する経済制裁を解除するわけでもない。イランの合意履行をすべて確認し、法令を整備する行程は10年がかりの作業になる可能性もある。
核合意は7月20日に国連安全保障理事会で決議が承認され、90日後の10月18日に発効した。
今後はイランが国際原子力機関(IAEA)に追加議定書の適用を通告し、核査察によってイランの合意履行が確認されれば「履行日」が設定されて、欧米が制裁解除に踏み切る。
オバマ大統領は履行日に向けて、イランの石油や運輸、金融業界に対する制裁解除について言及。「イランによる核兵器入手の阻止、平和利用のみを目的とした核開発推進の確認に向け、今日が重要な分岐点になる」との声明を発表した。