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シアトル珍名所「ガムの壁」大掃除へ

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人が噛んで捨てたガムを踏むことほど頭にくるものはないという人も多い中、米シアトルにはそれが所狭しとくっつけられた壁が存在し、外国人観光客も多数訪れていた。残念ながらその歴史に幕が下ろされるという。

「シアトルに行ったら是非ここにも足を延ばして!」なる投票があると、よく挙げられているのが“ガムの壁(Gum Wall)”。全米で最も古い市場としてワシントン州の歴史保存地区にも指定されている『パイク・プレイス・マーケット(Pike Place Market)』の中にあり、即興劇が行われる「Market Theater」という劇場の壁面である。

1993年、その劇場の前にできていた行列の中で、ヒマを持て余した学生たちが噛み終わったガムを壁にペタッと貼り付けたのが始まりと言われ、レンガ造りのその壁には高さ約4.5m、幅約50mにわたりガムが隙間なく貼り付けられ、中には厚みが15cmほどになっている場所もある。絵具を思わせるほど発色豊かなアメリカのガムゆえ、“他人が噛み終わったもの”という不潔な感覚が気にならないのであれば鮮やかなアートとしても十分に楽しめるはずだ。

だがこのたび、その歴史に幕が下ろされることになった。劇場の閉館ではなく、約100万というガムを壁から剥がし去るという。同マーケットの保存と復興のために組織された「Pike Place Market Preservation and Development Authority」は、歴史的建造物が不潔なもので覆われている状態を何とかしなければという理由を一番に挙げたが、健康のために良くない化学合成物、砂糖といった添加物がたっぷりのガムは、おそらくレンガにとっても良くないとも。また現在ガムの重量について緻密な計算を行っているが、壁にはかなりの負荷がかかっていると考えられるそうだ。

その作業にあたるメンテナンス業者「Cascadian Building Maintenance」のケリー・フォスターさんは、『シアトル・タイムズ』紙に「爆発的なパワーを発揮する工業用スチームクリーナーを使用することになりますが、こんな珍しい不思議な作業を請け負ったのはこれが初めてです」などと説明している。作業は今月10日に始まり、3~4日間を予定しているそうだ。



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