岐阜県関市の関善光寺に安置されている仏像が、ラグビー日本代表の五郎丸歩選手がキック前に取るルーティンの「合掌ポーズ」にそっくりだと話題を呼んでいる。寺によると、フェイスブックで広まった10月下旬ごろから参拝者が通常の3倍近く増えているといい、五郎丸フィーバーはとどまることを知らない。
この仏像は境内の大日堂にある銅製の座像「宝冠大日如来(ほうかんだいにちにょらい)」(高さ約3メートル)。仏像が両手で示す象徴的なポーズである「印相(いんそう)」は両手の親指と人さし指の第1関節を合わせ、残り3本の右指が左手の中指から小指にかけて覆っている。佐藤舜海住職(40)によると、約100年前に中国から伝わったとされる。
参拝者から「五郎丸選手のポーズに似ている」と指摘された佐藤住職が自身のフェイスブックに「関の五郎丸」と紹介して広まった。住職は「訪れる皆さんの多くが『五郎丸ポーズ』をしてお参りしています。大日如来でこのような手の組み方をする仏像は日本で珍しい」と話す。
今月10日には地元の関商工高のラグビー部員ら約20人が参拝。現在、第95回全国高校ラグビーフットボール大会岐阜県予選が開かれており、仏像に向かって「五郎丸ポーズ」で合掌し、県大会優勝を祈願した。試合でペナルティーゴール(PG)を狙う荻功二郎君(3年)は「五郎丸選手のように正確なキックができるようお祈りした」と話していた。
グループ25人で初めて訪れたという名古屋市西区の大河内利秋さん(81)は「五郎丸さんのポーズにそっくりでびっくりした」と驚き、同行した女性(78)も「一緒、一緒」と大喜び。佐藤住職は「例年多くの人出でにぎわう大みそかの混雑が今から心配です」とうれしい悲鳴を上げている。