9回に3点差をひっくり返し決勝進出を決めた韓国。増井から逆転2点打を放ち4番の面目を施した李大浩は「フォークが来ると思っていた。球種を絞っていたことが良い結果につながった」と気持ちよさそうに汗をぬぐった。
李は今季パ・リーグで増井に対し4打席4三振。カウント2-1から相手のウイニングショットをとらえることができたのは、屈辱の対戦経験があったからだ。
「後輩たちは(9回も)やってやろうという気持ちがあった。自分も後ろにつなげようと思った」と興奮を隠しきれない様子だった。
韓国は過去のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2度にわたり宿敵・日本戦での勝利後に、マウンドに自国の太極旗を立てる“蛮行”におよび、ひんしゅくを買ったことがある。
この日は過去を上回る劇的な逆転勝利だっただけに、再び旗が翻るかと思われたが、マウンドに飛び出す選手は皆無。それどころか金寅植監督は「日本は韓国に負けたが、野球という競技はこうして強者が弱者に敗れることがある。やってみないと分からない。決勝も最善を尽くす」と殊勝に語った。
同国代表関係者は「8日の1次ラウンド初戦で日本に0-5の惨敗を喫した際、ネット上で国民から『今の韓国の実力は日本よりはるかに低い。自覚しろ。謙虚に戦え』と空前の猛批判を浴びたからです。うっぷんを晴らしたとはいえ、とても浮かれる気分にはなれなかったでしょう」と説明する。国内の厳しい論調が逆転劇を呼んだのかもしれない。