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アイドルの“グループ卒業”で、芸能プロが悩む「何も売りがない!」問題

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 いままで、たくさんのアイドルがグループから“卒業”していきました。ファンは涙目ですが、アイドルの所属事務所にとっては重大な局面。

「“卒業”という最後の切り札でメディアを動かすことはできますが、問題はその後、事務所としてどうやってアイドルをハンドリングし、どんな“売り”で勝負させるか。これが腕の見せ所です」(某プロダクション幹部)

「売り出し方や方向性が定まっていない担当アイドルがグループを卒業すると、一番焦るのは本人ではなくこの私です」と言うのは、芸能プロの中堅マネージャー。

「いま、アイドルグループ内の格差問題が深刻化していて、手を焼いています。パッとしないメンバーの卒業志願者が増えているんです。

 でも、何も武器がないアイドルは卒業させたくないのが本音ですね」

◆ファッション系などの資格を取らせる

 何も武器がない場合、卒業後の“売り”をどうやって作るのか? まず定番なのが「資格や検定を取らせること」だそう。

「例えば、美容やファッションに興味があるなら、スキンケアの資格やネイリスト検定、食育アドバイザー、パーソナルカラー検定などを積極的に取らせます。

 そして、女性ファッション誌などに営業して、コスメ企画などのアドバイザー枠を取りにいくんです」(中堅マネジャー)

◆ローカルラジオや「◯◯大使」に

 グループを卒業すると、「今までバーター枠(人気メンバーとセットで不人気メンバーを出演させる)で取れていた仕事がゼロ本になるので、露出させるのが大変」(大手芸能プロ幹部)だといいます。

「事務所としては、自社制作番組や所属タレントとのバーターで露出機会をつくるほか、ローカルラジオの番組枠を買い取って、そこに出演させることもあります。

 あとは、出身地の自治体や団体に売り込んで、『◯◯観光大使』のような地域PRキャンペーンに起用してもらう。そうやって、テレビ・ラジオのローカル局や講演会などのオファーが来やすい環境をつくります。

 どうしようもないときは、バラエティ番組の再現VTRとかですね」

◆オリジナルブランドを立ち上げるのは迷惑

 一方、アイドル本人がやりたがる「洋服や雑貨などのオリジナルブランドを立ち上げる」のは、「正直、マネジャーとしてはしんどい」(現場マネジャー)。

「もともとファッションセンスがないアイドルが陥りがちなパターンがあります。スタイリストにコーディネートしてもらった衣装で、写真をブログなどにアップして評判がいいと、自分はファッションセンスがいいと勘違いしてしまうんです。

 ところが私服はコーディネートがミスマッチだったりして、早く楽屋に行って衣装に着替えて欲しいと思うことも…。

 現場を把握していない幹部に、『本人がブランドを立ち上げたいと言っている』と報告すると、『やりたいならやらせれば』とすんなりGOサインが出てしまうこともあります。でも、活動に支障が出るので、マネジャーとしては大迷惑。

 単に洋服好きなだけなので、オリジナルブランドなんて、たいてい失敗します」(同)

 で、卒業後に仕事が入らないと、アイドル本人が「事務所が全然動いてくれないから……」と元グループのメンバーたちに不満を漏らしたりするそう。グループの看板で好待遇を受けてきたアイドルほど、「卒業後も“上から目線”で事務所とモメることがあるんです」(同)。

 卒業の裏には、いろんな大人の事情が絡み合っているんですね。




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