中国当局は21日までに、同国史上最大の地下銀行組織を摘発した。この銀行が関与していた取引の額は640億ドル(約7兆8千万円)に上るという。
中国国営メディアによると、当局は中国東部で昨年9月から捜査に着手。8つのギャング組織から容疑者100人あまりを拘束したという。
こうしたギャングと背後でつながっていたとみられるのが、香港で複数のペーパーカンパニーを運営していた首謀者と目されている人物で、資金洗浄(マネーロンダリング)や外為取引に関与していたとみられる。
中国は厳格な資本規制を敷いており、市民は年間約5万ドル(約610万円)しか国外に持ち出せない。こうした制限のため、人々の海外送金を手助けするマネーロンダリングの地下組織が出現。金の一部は合法的に得られたものだが、汚職や不正を通じて入手された資金もあるとみられる。
国営メディアによると、中国当局は昨年、56人に逮捕状を発行、銀行口座3000件を凍結したほか、マネーロンダリングに関与したとして無免許の金融機関37社を閉鎖した。130万件を超える疑わしい取引の調査も行った。
また警察は今週、約516億元(約9900万円)に上る不正な取引に関わったとして、無免許の銀行10行を新たに摘発していた。