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鉄道各社が導入へ「必ず座れる電車」

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 ■必ず座れる電車

 鉄道各社が今、朝のラッシュ時に“確実に座って通勤”できる電車の導入を進めている。京浜急行では7日朝から「モーニング・ウィング号」と呼ばれる列車を導入した。平日の朝のラッシュ時に全車両必ず座れる、京急で初めての電車だ。

 利用の男性客「(会社まで)遠いものですから、ゆっくり寝ていくような感じ」

 利用の女性客「モーニング・ウィング号みたいな車両だと、ゆったり座れて、座り心地もいいので、睡眠もとれるかなと思います」

 乗客は、乗車券以外に300円の着席整理券を買えば、確実に座ることができる。座席の指定はないが、着席整理券は電車の座席分、436枚しか販売されない。

 モーニング・ウィング号が運行する区間は、三浦海岸から品川と三浦海岸から泉岳寺の、平日の朝2本で、所要時間はおよそ1時間20分ほど。それだけに利用客からは通勤時間を有効に使うためにも座りたいという要望が多かったそうだ。

 ■東武鉄道や京王電鉄でも

 こうした有料で座れる通勤電車の導入は、ほかの鉄道会社でも予定されている。東武鉄道では、来年春から東上線で、朝の通勤時間帯に池袋方面に向かう“上り”で、乗車券のほかに410円払えば座れる電車の運行を始める予定。

 また、京王電鉄も2017年度までに導入を検討しているという。

 さらにJR東日本では、これまでも追加料金が必要なグリーン車を常磐線や宇都宮線などで導入してきたが、中央線快速でも、2020年度を目標に、現在10両編成の電車に2階建てのグリーン車を2両追加する予定となっている。

 鉄道各社の狙いについて、鉄道業界に詳しい株式会社ライトレールの阿部等社長は、「すでにJRなどで導入されている追加料金で座れる列車は、いずれも好調で、追加料金を払ってでも座りたい乗客のニーズに応え収益性を高めることが狙い」だという。さらに、「追加料金で必ず座れるようになれば、その沿線の魅力が向上するとともに、鉄道会社は満員電車解消のための設備投資ができるのでは」と話している。

 鉄道会社だけでなく、沿線の人気にも影響が出るということのようだ。

 ■「特急料金を補助」の自治体も

 そんな中、人口減少に悩む自治体が、通勤で使う特急料金を補助する動きも出てきている。房総半島にある千葉県いすみ市では、今年3月以降、いすみ市に住み始めた人で東京都内や千葉市などへ定期券で通勤する人を対象に、1人あたり最大で月1万円、「特急料金を補助」している。

 特急を使えば、東京までおよそ70分と通勤圏内で、いすみ市は、この補助で人口増加につなげたいと話している。

 ■時間を買う

 きょうのポイントは、「時間を買う」。昔から時は金なりと言われてきたが、今では実際に快適さや時間がお金に換算される時代になってきたようだ。買う、買わないはそれぞれの判断だが、時間の使い方をより意識する時代になってきたと言えそうだ。





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