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しくじり先生 オファーして出演まで至る率は10人に1人以下

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オリエンタルラジオ、堀江貴文氏、杉村太蔵氏、辺見マリなど、様々な分野の“しくじり先生”が登場して、オリジナルの教科書を用いて授業するバラエティー『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系・毎週月曜20時~20時54分放送)が好評だ。放送からわずか半年で、深夜帯からゴールデンに進出し、ますます勢いを増している同番組の金井大介プロデューサー、北野貴章ディレクターに制作の舞台裏を聞いた。

――番組制作の経緯を教えてください。

北野:ぼくは2年前、ADをしていた頃、しくじりまくって、いろんな人に怒られていたんです。しくじった話を人にすると、ウケたりするじゃないですか。それを番組にしたら面白いんじゃないかなと、企画を出したのが一番初めでした。

 深夜にトライアルで放送することになったんですけど、しくじり先生という番組自体知られていない時代だったので、キャスティング段階ですぐ断られるんですよ。“なんだその番組は”って。だから「しくじり先生」という言葉を隠してオファーしていました。

――深夜からゴールデンに昇格して、変わった部分、逆に変えていないこだわりの部分はありますか?

北野:今年2月くらいにゴールデンにいくかもという話があって、ずっと抵抗していました。万人ウケを狙いすぎて、中だるみするような番組になるのは嫌だったんです。そこで考えたのは、それまではお笑い番組として作っていたんですけど、エンタメ番組にしようと。そうすれば笑いだけじゃなくて、先生によって感動や驚きがあってもいいし、幅が広がるのかなって。

 とはいえ尖った先生が出演しなくなると、番組のよさもなくなると思ったので、ゴールデン初回は堀江貴文さんや前園真聖さんなどに出ていただいて、攻めたつもりです。

 ゴールデンになってから感動系が増えているんですけど、それは番組がお笑い番組からエンタメに変わったからで、メジャーな人も出るけど、メジャーじゃない先生も出る。11月2日放送の、内村周子さん(体操・内村航平選手の母)とG.G.佐藤さん(元プロ野球選手)は“素人”ですから。チャレンジでした。

――先生の出演者はどのように決めていくんですか?

金井:定例会議で作家からアイディアを募集して、候補が出てきます。その中からスタッフが興味があるないを振りわけつつも、雑誌や新聞の過去記事などを調べて、ブッキングに入ります。実際に事務所に電話をして、1回目の交渉ですね。

 それで、結構はじかれます。事務所から「しくじっていません」とか「今さら言いたくないです」とか。いろんな理由で断られてしまうことがあって。

 了承をもらったら、本人とディレクター陣、作家陣とP陣など、5人くらいで打ち合わせをします。この1回3時間くらいの本人打ち合わせを、スタジオに立つまでに少なくとも3回は行います。

――1回目の打ち合わせが済めば、オンエアまでいきますか?

金井:じゃないですね。

北野:本人が“ビジネスしくじり”の可能性があるんです。ネタになるから番組に出たら得だ、みたいなモチベーションで来られてしまうと(苦笑)。ありがたい話で、出演したいという人も最近は増えたんですけど、そういう人は大抵しくじっていません。

金井:打ち合わせの時に、こちらから断ることもあります。

北野:3パターンあるんです。1つは誰もが知ってる、しくじってる人。堀江さんとか、前園さん。

金井:国民的しくじり、一発でわかる人(笑い)。

北野:パターン2は、しくじっていそうな人。最近見ないけど、なにしてるのかな? とか。

金井:しくじってるから、メディアに出てないという。

北野:パターン3は、しくじってるのかどうかわからないけど、キャッチコピーが面白い人。メンタリストなのにメンタルボロボロのDaiGo先生とか、元大事MANブラザーズバンドの立川俊之さんは、『それが大事』のなにが大事なのかな、から入りました。

――断られたり断ったりで、採用率はどれくらい?

金井:10人に1人以下。10%切りますね。

――オファーして、こんなに出演率の低い番組って、他にありますか?

金井:ないでしょうね。相当大変です。

北野:週刊誌やワイドショーで騒がれて、みんながしくじってると思っている人っているじゃないですか。洗脳された人とか。でも私は洗脳されていませんって認めてもらえないと、しくじりにはならないわけです。

――洗脳された過去を明かした、辺見マリさんは印象的でした。

北野:ぼくの中で辺見さんの授業はよくできたなと思っています。あそこまで話してくれたのはありがたかったです。普段は打ち合せは3時間なんですけど、辺見さんの場合は毎回4、5時間でした。

 毎回泣かれるんです。当時の話をすると、思い出すんでしょう。スタッフみんなウルウルきちゃう感じで。つらい話を何回もぼくらにしてくださって、授業でやってくださったから、すごくいい回になったと思います。番組を作るのに3か月くらいかかっています。

金井:これは他のバラエティー番組と比べて、相当時間がかかっています。普段でも、ひとつ授業を作るのに2か月くらいはかかりますね。教科書もあるので、同時並行で打ち合わせしながら作っていきます。

北野:本人が授業をするので、納得してもらっていないと、言わせていることになってしまうので。時間をかけて、言い方なども話し合って作っていきます。やっぱり、先生とスタッフの信頼関係がなければこの番組は成立しませんので。

◇しくじり先生 俺みたいになるな!!
テレビ朝日系で、毎週月曜20時放送。大きな失敗をしてしまった「しくじり先生」が、「自分のような人間を増やすまい!」としくじった経験を教える、バラエティー番組。2014年10月2日から放送(過去に3回特別番組あり)。当初は深夜枠だったが、4月20日からゴールデンに移動した。2015年12月21日19時~21時48分は、歴代のしくじり先生が集結する、年に一度のしくじりの祭典『しくじりアワード2015』が放送される。




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