テキサス州やミズーリ州など米南部の一帯が26日から27日にかけて竜巻や洪水に見舞われ、27日までに数十人の死亡が確認された。各州が非常事態を宣言し、国立測候所によると警報を出して暴風雪や竜巻、洪水などに警戒を呼びかけている州はニューメキシコ州からミシガン州、ジョージア州にかけての20州に上るという。
国立測候所によると、最も大きな被害が出たテキサス州ダラス近郊のガーランドでは、26日に74~89メートルの突風を伴う「EF-4」級の竜巻が発生。近郊のロウレットも、風速60~73メートルの「EF-3」級以上の竜巻に見舞われた。
ガーランドでは住宅の壁が吹き飛ばされたり、路上に停めてあった車が家の中まで吹き飛ばされるなどして8人が死亡、15人が負傷。建物などへの被害は600棟に及んだ。テキサス州内の他の地域でも乳児を含む3人の死亡が確認され、州知事はガーランドを含むダラス郡など4郡に非常事態を宣言した。
ミズーリ州では夜間に道路が鉄砲水に襲われ、車2台が流されるなどして少なくとも8人が死亡。州ハイウェイパトロールは、水没した車などからの救出作業や洪水に見舞われた地域からの避難支援に追われている。
イリノイ州南部でも、車が豪雨で増水した川に押し流されて大人3人と子ども2人が死亡した。
テキサス州のダラス・フォートワース国際空港は米連邦航空局(FAA)の指示で便の離発着を見合わせている。27日はサウスウエスト航空の70便、アメリカン航空の170便が欠航となった。
同州北部では気温も急激に変動した。最高気温は26日の28度から、27日には5度まで一気に低下。28日も厳しい寒さが続く見通し。
国立測候所はニューメキシコ州東部とテキサス州からオクラホマ州にかけての一帯に暴風雪警報を出した。28日夕刻にかけて20センチを超す積雪や、180センチ以上の吹きだまりが予想されている。
竜巻の事後処理に追われるテキサス州ダラスでも積雪が予想され、同州北部では引き続き水位の上昇にも警戒する必要がある。
ニューメキシコ州では27日朝までに40センチを超す積雪があり、複数の郡で道路が通行できなくなっている。州知事は同日、非常事態を宣言した。
オクラホマ州中部からカンザス州にかけては積雪に加えて暴風も予想され、27日午前の時点でオクラホマ州の少なくとも8000世帯が停電している。