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日本とパナマの両政府がパナマ運河を横断する都市交通システムに日本式モノレールを採用することを前提に円借款を供与する覚書を結んだことが14日、分かった。
近く正式に政府間で円借款の融資契約を結ぶ。中米・カリブ地域でのモノレールの導入は初めて。パナマ側は日本の跨座(こざ)式と呼ばれるモノレール方式の採用を要望しており、日立製作所と三菱商事連合が受注を目指している。総事業費は約20億ドル(約2350億円)で大半を円借款で賄う計画だ。
同計画は「メトロ3号線」と呼ばれる都市交通で、これまでは地下鉄で整備していた。モノレール採用は初めて。首都パナマ市の中心部と運河を挟んだ西側地域を結ぶ全長約40キロを整備する。近年、激しさを増す首都圏の渋滞回避に貢献する。
年内にも入札を経た上で、早ければ2021年に完工し、22年の開業を目指す。
安倍晋三政権はインフラ輸出を成長戦略の一つに据え、20(平成32)年に約30兆円のインフラシステムを受注する目標を掲げる。安倍首相は昨年11~12月にパリで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に出席した際、パナマのバレラ大統領と会談し、日本式モノレール採用を働きかけた経緯があり、官民で売り込みを図ってきた。
日立のモノレールは中国などで実績があり、パナマに強みを持つ三菱商事と共同で受注を狙っている。