覚悟の表れだった。川崎フロンターレの新体制発表会見であいさつしたGKチョン・ソンリョンは、すべてのあいさつを日本語で披露。「新年あけましておめでとうございます。みなさん、元気ですか?会えてうれしいです。韓国から来ました、チョン・ソンリョンです。いい成績を出せるように頑張ります。これからもよろしくお願いします」と話し、集まったサポーターの心をつかんだ。
コミュニケーションが何よりも大切とされるポジションということもあり、川崎Fに入団を決めてすぐに日本語学校に入学。この日のあいさつは暗記したというが、日々上達を実感しており、「他にも少しずつ話せるようになっている。(日本語でのあいさつは)礼儀だと思った」と胸を張った。
韓国で抜群の実績を誇るGKが日本に上陸する。チョンは2010年と14年のW杯でゴールマウスを守った韓国代表の守護神。五輪も2008年に北京大会に出場すると、12年のロンドン五輪ではオーバーエージとして招集され、銅メダル獲得に貢献した。クラブレベルでも城南一和に在籍した2010年に優勝するなど、多くのタイトルを獲得している。
そんなチョンが選んだ初の海外挑戦となる新天地は、これまでタイトルにあと一歩届いていない川崎Fだった。しかし韓国代表GKは「新たな気持ちでチャレンジしたかった」と語ると、「川崎Fはタイトルが獲れると思ったから移籍を決めた。一つになればタイトルが獲れる」と言い切った。
プライベートでは3人の子供を持つパパ。子供たちも「新しい言語が学べる」と、今回の移籍を歓迎しているという。「(川崎Fで)初の韓国人選手ということで期待は大きいと思うが、責任感を持ってプレーしたい」。日本での成功を夢見る31歳の挑戦が始まる。