英紙フィナンシャル・タイムズは、中国製の安価な違法ドラッグが世界各国で蔓延していると報じた。環球時報が伝えている。
記事によると、このドラッグは「フラッカ」という名で、一つ5ドル(約600円)程度で手に入ることから「5ドルの狂気」などと呼ばれる。コカインなどの十数分の一という安い値段だが、使用者には幻覚や奇行などの強い作用が表れる。
「フラッカ」はネットなどを通じて簡単に購入でき、中国の違法な製造元から「研究用化学物質」などとして空輸便で米国に送られる。フロリダ州での「フラッカ」が絡む刑事事件は、2011年には1件だったが、昨年は同州の1地域だけで2000件に上った。米国内では、すでに多数の死者も出ている。そして、米国を介して世界各地にも広まっていると見られる。中国は昨年10月に「フラッカ」の禁止を正式に発表しているが、事態は収拾していない。
記事は、世界にまん延している中国製ドラッグは「フラッカ」だけではなく、豪州では今月に入ってからも中国から送られた貨物の中から500キロに及ぶメタンフェタミンやエフェドリンといった薬物が発見されていると報じている。