1月22日放送、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では、自販機のコカコーラについて。自動販売機業界は、2005年~2014年の10年間で売上が約2兆円落ち込んだ(http://www.jvma.or.jp/information/information_3.html)。今回は自動販売機業界の生き残り戦略について取材。自動販売機台数でトップを誇る日本コカ・コーラは、王座を守るために自販機のホット製品を通常より2度温度を上げて温めるという戦略を、昨年10月から始めた。
日本コカ・コーラのプラス2度の戦略について、プラス2度の発案者である島岡さんは、想像以上の高評価で驚いているとのこと。調査によると、8割以上の客が「味が良い」「また買いたい」などという反応を示すという。今回の結果で、今後の自販機業界の成長のヒントが得られたと話した。
ホット製品をもう少し温かい温度で飲みたいという要望に応えて始まったもので、設置場所を問わずホット製品の販売数の多い自販機が対象となっている。対象の自販機には+2度温度が高いことを示すPOPやポスターを提示する。冬により温かい飲み物を飲みたいという消費者の意見を受け、昨年1月から3月に北海道で2度高く設定したテスト販売を実施したところ、より温まる、よりおいしいと感じる、癒やしを感じるなどと好評だったことから、全国展開に踏み切った。
コンビニエンスストアの購入などに慣れている顧客から、こういった要望がでてきたという。缶コーヒーや緑茶などのホット飲料の加温温度は従来より2度高くし、自販機内部の温度を高めに設定することで、冬でもより温かいドリンクが飲めるようにしたもの。今年は暖冬だが、評判は上々だ。
自販機業界2番手であるサントリー食品インターナショナルは、去年JTグループの自販機事業会社を約1,500億円で買収して、日本コカ・コーラを追随している。そのサントリーの社内では、トップの座を奪うための秘策が会議で練られている。その会議で頻繁に登場するワードが「自販機限定」というもの。サントリーはコンビニでは売っていない自販機限定の商品を増やし、利用者拡大を狙っているのだ。実際に限定商品を販売すると、その自販機の売上は増える。専用商品のニーズは高いという。来月からはBOSSの自販機限定商品「ボス トリプルブレンド」が発売されることとなった。
自動販売機の調査がされているのはアメリカで、現地では645万900台もの自動販売機が設置されている。普及台数では日本を136万台ほど上回る。だが年間の自販機販売額は約427億ドルで、日本円に換算すると4兆1,846億円程度。日本よりも下回っている。一台あたりの販売額が高いのが、日本の特徴だ。
統計では飲料の自販機、食品の自販機、タバコの自販機、カプセル玩具やボールガムなどの自販機が含まれているが、アメリカではこの他に新聞の自販機、乗車券の自販機などが普及しており、これらを合わせると1,000万台を超えると見られている。ヨーロッパでは飲料と食品の自販機が380万台程度、タバコ自販機が40万台程度あり、ロシアや中欧・東欧やトルコなどの新興国での普及も進んでいる。中国では大都市の地下鉄の駅構内やオフィス・工場などを中心に8万台程度が普及しており、今後も設置数が伸びるであることが推測される。
(マイナビスチューデント)