離陸の準備に入るも保安上の指示を守ろうとしない乗客、あるいは飲酒の度がすぎる乗客と客室乗務員(以下CA)の間でトラブルが発生することはままある。だがこのほど米国では、フライト中に客室乗務員同士が大喧嘩を繰り広げ、緊急着陸となってしまったという。
問題のフライトは、先月22日にロサンゼルスからミネソタ州のミネアポリスに向けて飛行中であった「デルタ航空」のDL-2598便(ボーイング757‐200)。予期せぬ事態にパイロットは緊急着陸を決断した。フライトには大幅な遅れが発生し、300名近い乗客を激怒させたことをロサンゼルスのメディア『pjmedia.com』が報じた。
離陸して約40分、同機がソルトレークシティ南方の上空約37,000フィートを飛行中に2人の女性CAが口論を始め、それが激化して握りこぶしで殴り合う大喧嘩に。別のCAも顔面に一撃をくらっている。同機はユタ州の空港に緊急着陸するとその3名を降機させ、新しいCAを乗せると約80分後に目的地に向けて飛び離陸。デルタ航空は乗客にこの不愉快な出来事を詫び、マイレージの特別加算および旅行バウチャー券の配布を行ったという。
なお、衝突の原因は仕事に関することだったもよう。不機嫌そうな表情で仕事をしているCAが1人はいると言われる米エアラインの旅客機。激務な上に待遇は不安定で、シングルマザーやワーキングマザーも実に多い。最後方のギャレーの近くに座った際にCAたちの雑談に耳を傾けると、仕事や会社に対する本音、家庭事情などが面白いほど伝わってくるものである。