銭江晩報によると、中国が試験的に設置を進めている無料のコンドーム配布機が大学内に設置されたことに、父兄から不満の声が上がっている。
昨年6月、国家衛生計画出産委員会は、望まぬ妊娠を減らすことや、エイズなどの感染症の拡大防止を目的として、全国13の都市でコンドーム配布機を試験的に設置することを決めた。そのうちの一つである浙江省杭州市では、今年初めに8つの大学や10の医療機関に計36台が設置されたが、反発の声も大きいという。
市の担当者は、設置に当たって大学側から「校内に設置すると、大学が学生の性行為を黙認することになるのではないか。特に父兄から反対の声が出る」といった懸念の声が上がったと明かす。父兄の中には、「子どもたちはコンドームを買いに行くのが恥ずかしいために性行為を行わない。学校がこの機会を設置したら性行為を促すことになる」と考えている人も少なくないという。
しかし、同担当者は「実際、大学生の性行為は年々増加している。恐ろしいのは、毎年のエイズ感染患者のうち、大学生の比率が増加傾向にあることだ」とし、「コンドームの使用はこうしたリスクを避けるのに有効な手段だ」と指摘する。
この機械は大学以外にも、医療機関や地下鉄の駅などに設置されており、2台が設置された市内の病院では2週間で101箱(1箱10個入り)が利用された。同市は1999年から1元(約18円)でコンドームを販売する自動販売機を導入しているが、昨年までに51万個の売り上げがあったという。担当者はこれらについて、「コンドームの需要が確かなものであることの証明」と話す。
ちなみにコンドームを受け取るには機械に身分証を読み込ませる必要があり、18歳未満は受け取れない。また、1人が受け取れるのは1カ月に1回となっている。