19日放送の「ドキュメント72時間」（NHK総合）で、取材スタッフが、逮捕され保釈中の男性に遭遇する一幕があった。
番組では「大阪・天神橋筋 商店街のベンチにて」と題して、天神橋筋の商店街のベンチに、カメラを3日間据えた取材をした。
取材2日目、夜のベンチで語り合うふたりの男性にスタッフが声をかけた。ふたりの顔には、編集でモザイクがかかっている。
すると、片方の男性は「あかんあかん、オレらは写したらあかんわ」と笑いながら言い、もうひとりを指さし「だってこの人、刑務所に入って、いま保釈中」と説明を続けた。
言われた相手は「そうそう、保釈中やから」と語り、自身が覚せい剤使用の容疑で逮捕されたことを打ち明けた。隣に座る友人に保釈金を払ってもらい、出所してきたのだという。
保釈中の男性は50代で、判決を待っているのだとか。友人の男性は40代で、清掃業を営んでいるそうだ。友人は、保釈中の男性に清掃の仕事を世話しているという。
保釈中の男性に仕事を紹介した理由について、友人男性は「刑務所入るのにもお金いるもん。下着から全部買わないかんから」と、事情を語った。有罪になり、刑務所行きになることを見通しているようだ。
そこで、スタッフが「そこまで面倒を見られるのは（なぜか）。ご親戚でもないのに？」と尋ねると、保釈中の男性は「昔の友人よ」と、ふたりの関係をカメラに語った。
かつては羽振りがよかったという保釈中の男性は、ギャンブルにはまった末、覚せい剤に手を出してしまったという。友人男性は「弱い者は弱い者で集まって、何かできたら」と語る。身の回りの世話をしてくれる友人に、保釈中の男性は「感謝してますよ」と心境を明かした。判決は2週間後に出るそうだ。