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山口組“全面抗争”危機 「神戸山口組」最高幹部の拠点で発砲

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 血で血を洗う抗争が現実味を帯び始めた。福井県敦賀市にある暴力団、神戸山口組(本部・兵庫県淡路市)傘下の組事務所で発砲事件が発生し、実行犯として対立する指定暴力団、山口組(総本部・神戸市灘区)の傘下団体組員が逮捕された。襲撃された組事務所が神戸側の最高幹部の拠点だったことから一時「本格抗争が始まった」(関係者)との情報も流れ、緊張が高まった。先週には東京都内の繁華街で組員同士の大規模な衝突も起きるなど一触即発の空気が漂っている。

 福井県警によると、襲われたのは神戸山口組の傘下団体「正木組」の組事務所。23日午前9時55分ごろ、事務所に向かって5回の発砲があり、2階の窓ガラスと、組関係者が止めていた車のフロントガラスが割れた。

 福井県警の警察官が、付近にいた山口組系組員の山本敏行容疑者(38)=住所不詳=を銃刀法違反(発射)の疑いで現行犯逮捕した。

 幸いけが人は出なかったものの、襲われた場所が場所だっただけに、捜査当局や暴力団関係者らの間に緊張が走った。

 「正木組の正木年男組長は、神戸山口組で総本部長を務める最高幹部の1人。その拠点を山口組側が狙ったことで『ついに本格抗争に突入か』との観測が一気に広がった」(捜査関係者)

 東京・歌舞伎町(新宿区)で15日に両組織の大規模な衝突が発生していたことも緊張感を一段と高める要因となった。

 「山口組側と神戸側で計60人ほどが入り乱れて乱闘になった。神戸側の傘下団体が歌舞伎町で集会を開いたのが事の発端で、別の組織が仲裁に入ってようやく収まった」(事情を知る暴力団関係者)

 昨年8月末の分裂以降、全国で小競り合いが相次いでいる。

「山口組側は、不測の事態に向けて神戸側の情報収集を急ピッチで進めている。末端組員に向けて幹部が『何でもいいから情報を出せ』とはっぱをかけている。神戸側の都内での勢力拡大を牽制するため、傘下組織の若手組員に呼び掛けて警備チームのようなものもつくっているという話だ」(先の暴力団関係者)

 関係者によると、山口組側は、昨年末には神戸側の切り崩し工作に対抗するためのマニュアルを作成し、組員に配布。具体的な事例を挙げて相手の狙いと対処法を示し、「こちらは少人数でも、引く気のない意志を強く示すことが大事」などと呼び掛けているとされる。

 折しも敦賀の発砲事件があった23日、福岡、大分両県警が、1月に福岡市の山口組の傘下団体「一道会」の事務所に火炎瓶が投げ込まれた事件で、実行犯として神戸山口組系組幹部の男(44)らを逮捕したことも明らかにした。

 篠田建市(通称・司忍)6代目組長率いる山口組vs.神戸山口組。全面抗争の「Xデー」は確実に迫っている。



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