フランス当局は29日、同国北部の港湾都市カレー(Calais)郊外にある大規模な移民キャンプ、通称「ジャングル(Jungle)」の南半分の区画での解体作業に着手した。AFPの現地特派員が伝えた。
警察車両30台と機動隊のバン2台が配備される中、ブルドーザー2台と作業員約20人が、難民たちが家代わりにしている粗末な小屋を壊し始めた。
移民規制に反対する英国の運動組織「ノーボーダーズ(No Borders)」の活動家1人が逮捕された以外、大半の解体作業は静かに行われた。
現地当局の関係者によれば、キャンプの隣に設置したコンテナハウスや国内の他の施設への移動を最近、移民たちに呼び掛けた結果、今回解体するキャンプ南側の区画にある小屋のうち、4分の3はすでに空き家となっているという。当局は強制退去させることは一切ないと約束している。カレーのキャンプには約3700人が滞在しており、今回の解体では800~1000人程度が影響を受けるという。
一方、移民支援組織らは独自に行った最近の調査で、キャンプ南側の区画だけで少なくとも3450人が住んでいるとし、うち300人が保護者となる大人が同伴していない子どもだと主張している。