日帰り出張を繰り返したなどと虚偽の収支報告書を提出し、政務活動費約913万円をだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われた“号泣県議”こと元兵庫県議の野々村竜太郎被告(49)の裁判が続いている。2月22日には第二回公判が行なわれたが、1月26日の初公判と同じく、「記憶にございません」を30回も連発した。
ということは、これも「記憶にない」だろうか。B5判のノートに鉛筆でこう記されている。
〈3月15日 野々村竜太郎 ○○○-…(編集部注・電話番号) 47才 兵庫県議会議員(休日は不定期) 1対1のお見合い希望 プロフィールはFacebookをご覧ください。〉
これはあの号泣会見(2014年7月1日)の約4か月前、2014年3月15日付で、大阪市内の飲食店に備えられた「コンパノート」に書き込まれたプロフィールだ。
この店は関西では有名な「コンパができる」お好み焼き店。関西ローカルのテレビ番組には何度も紹介されており、この店のコンパをきっかけに過去100組以上が結婚している。店のママが世話好きで、置いてあるコンパノートにプロフィールと連絡先を書いておけば、希望に沿った形でお好み焼きコンパを開いてくれるシステムだ。
そのノートに“時の人の記述があった”と本誌に情報提供があり、その画像を入手した。発見した客が語る。
「驚いてページをめくる手が止まりました(笑い)。“これってもしかしてあの号泣県議? 内容もそれっぽいなァ”って。一緒に見ていた友達も同じ感想を漏らしていました」
本誌は記述が本物かを店のママに確認した。「取材目的でのノートの閲覧はダメ」といわれたが、野々村元県議が店に来て、ノートに書き込んでいたことは認めた。
「ハッキリ覚えていますよ。忙しい時間帯にカウンターに座って豚玉を1枚だけ食べて、ノートに目一杯書き込んでいた。皆さん通常は名前と年齢、連絡先、趣味や希望を簡単に書く程度ですからね。それに読んでみると兵庫の県議だという。インパクトは強烈でした」
気になる野々村元県議の希望の条件は以下の通り。
〈お相手女性の希望は23才~33才までで、子ども、家事好きで、議員活動に協力できる甘え上手な節約健康美女でおっとり気長な女性です 今年(2014年)中に結婚したいので、お早めに〉
結構、理想が高い。そしてデートコースはこう提案する。
〈デートは居酒屋や温泉がいいかも!? 掌がとても柔らかく、スリムでスーツが似合います。外見は30代後半に見られます〉
もしかしたら、城崎温泉に連れて行ってくれたかもしれない。
※週刊ポスト2016年3月11日号
(NEWSポストセブン)