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今、すギョい勢いで再生数を伸ばしている動画がある。さかなクンが出演する「キリン氷結」のCMだ。
さかなクンといえば、「白衣に淡いブルーのハコフグ帽子」「明るいお魚博士」が一般的なイメージ。そのさかなクンがイメージとは真逆のクールでシブい一面をCMで見せているのだ。
コラボした東京スカパラダイスオーケストラの演奏の中、「氷結」を飲んだ“普段の”さかなクンが、ブラックスーツでビシッと決めたクールでスタイリッシュな姿に変身。ハコフグ帽子ももちろん黒だ。ニヤリと笑うと、バスサックスを華麗に奏で始める。
記者は少しばかりアルトサックスの経験があるが、重さは4倍ほど違う。想像するだけで首が凝りそうだ。軽快に吹くさかなクンはどれほどすギョいのか。
サックス奏者のMALTA氏に聞いた。
「なかなかうまい! 初心者だとしたら3、4年はかかるだろう。バスサックスはかなり重く、クビにかかる負担も大きい。あまり大きな動きはしない方が音の安定感はいい。明るく楽しく、丁寧な仕事ぶりだと感じました」
CM制作スタッフにさかなクンの腕前を聞くと、
「当初からレベルが高かったです。バスサックスはさかなクン自前のもの。1週間ほど毎日数時間の練習と、何度か一緒にセッションをして、撮影の際には見事に演奏されていました」
企画に合わせてさかなクンはコメントを寄せている。<中学生の頃、水槽がある部活と勘違いして吹奏楽部に入部して以来、音楽と楽器に夢中になりました>
テレビCM版ではソロパートも披露。アマチュアなのに堂々とした演奏姿だ。
「スカパラさんがさかなクンにカッコよく演奏する秘訣もレクチャーされていました」(制作スタッフ)
ネット上ではさかなクンが見せたギャップに大騒ぎ。2月20日に公開されたWEB限定スペシャルムービーの再生数は26日時点で212万回を超えている。
<新しくなったさかなクンをギョギョッと表現していきますよ。レッツ・ギョー>
クールに決めたCMとは違い、さかなクン節は健在。水槽学、いや吹奏楽で新しい魅力を見せたさかなクン。ギョ~天する新たな一面をまた見せてくれるかもしれない。(本誌=林壮一、上田耕司、牧野めぐみ、松岡かすみ、秦正理/黒田朔)
(※週刊朝日 2016年3月11日号)