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震災5年「世間の波に呑みこまれないよう…」 三陸鉄道の駅員から卒業生へメッセージ 自らを重ねてエール

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書いたのは副駅長
 久慈駅に設置された「高校卒業おめでとう~津波・5年・旅立ち~」と題したメッセージ。卒業する学生に向けたものですが、「世間の波に呑み込まれないように、どうか皆様助けてあげてください」と、それを見守る大人たちへの願いも込められています。


こちらがメッセージ全文


海が盛り上がって、車が流されて、そんな映像なんか見たくない。

小学生のころ、家族で見た夏の碧い海がいい。

みんな前を向いて生きろと言っても、マイナスからの出発環境なんて辛すぎる。

そんな事を言っている君たちの心の真ん中が心配です。

どうかその分“いいこと”がたくさん訪れますように・・・。

世間の波に呑み込まれないように、どうか皆様助けてあげてください。

あまちゃん北三陸駅で通学したことが、これから先、何かの機会に人生の糧となることを願っています。

ほんとにみんなみんな愛おしい。

そして“さんてつ”を利用してくれてありがとう。

心から御礼申し上げます。

高校卒業おめでとう!みんなに幸あれ!

三陸鉄道 久慈駅



自分を重ねながら書いた文章
 メッセージを見た乗客たちが画像をツイッターに投稿すると「心がほっこりした」「泣きそうになった」といった声が上がっています。

 このメッセージを書いたのは久慈駅の副駅長・駒木健次さん。震災当時は本社の旅客サービス課にいましたが、駅復興のため、直後の4月に異動してきました。

 卒業生向けのメッセージを書き始めたのは2013年。きっかけは、震災当時に高校1年生だった生徒たちが卒業することに気づいたことでした。「自分が久慈駅で過ごしてきた時間と、震災後の高校生活を過ごしてきた学生たちがちょっと重なって、何かメッセージを送りたいと思ったんです」と駒木さん。


副駅長に聞きました
 そんな駒木さんに、今年のメッセージに込めた思いを聞きました。

 ――どんな思いで書いたのですか

 「震災から5年になりますが、精神的にも経済的にも厳しい状況にある人も多いと思います。そんな中、ローカル線の高い定期代を払って乗ってくれた学生たちへの感謝の気持ちを込めました」

 ――震災から5年ということを意識したのですか

 「特別に意識はしませんでした。最近は震災時の津波の映像が流れたり、『当時のことをようやく話せるようになった』という人の話を聞いたりしますが、5年というのは数字の節目というだけですから」


大人へのメッセージも

 ――学生だけでなく、周りの大人へのメッセージもあります

 「この辺は都会に出る子が多いんです。このメッセージをネットで見た大人たちが、田舎から来た子どもたちの成長を優しく見守ってくれればと思いました」

 ――反響をよんでいることについては

 「私はツイッターとかフェイスブックは詳しくないので、よくわかりません。ローカル線は地域と関わっていなければいけないと思います。地元の人から『いらない』と言われれば、おしまいですから。そんな思いで書いたものが、こんなに話題になって驚いています」
(withnews)




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