マレーシアのアフマド・ザヒド・ハミディ副首相は8日、議会での発言で、同国当局が昨年、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」によるナジブ首相らの拉致計画を阻止していたことを明らかにした。
副首相によると、ISISとかかわりを持つ容疑者計13人が昨年1月30日、身代金目当てに首相や副首相、ヒシャムディン国防相らを拉致しようとしていた。
当局の捜査によって、首都クアラルンプールやケダ、プトラジャヤの数カ所で軍施設から銃を奪い、爆発を起こし、現金輸送車を襲う計画があったことも分かったという。
副首相によれば、同国にはISISの組織がなく、容疑者らのグループはシリアから直接指示を受けていたとみられる。
国営ベルナマ通信によると、ヒシャムディン国防相は8日、「私は恐れていない。彼らが攻撃しようとしているのは私個人でなく、私の地位だ」と語った。そのうえで、軍基地の警備や当局者らの警護を強化することにより、ISISの同国での影響力を抑えることができるとの見方を示した。