2歳で1型糖尿病と診断された7歳のルーク・ナットール君。一番の親友は「糖尿病アラート犬」の“ジェダイ”だ。『insideedition.com』が伝えている。
1型糖尿病は2型糖尿病と異なり生活習慣と関係なく発病し、体外からインスリンを補う治療が欠かせない。7歳のルーク君も2歳の時に発症し、母親のドリーさんは夜も含めて一日10回ほどルーク君の血糖値をチェックするのが日課だ。
ドリーさんの一番の気がかりは夜間。寝ている間にルーク君が昏睡状態に陥ると命の危険もあることから「何年もの間、夜にぐっすり眠ったことがなかったのです」と語る。
そんな家族の負担を減らそうと、生後11か月のラブラドール・レトリバー“ジェダイ”が米カリフォルニア州の「Canine Hope for Diabetics」からナットールファミリーに仲間入りした。この時ジェダイはまだ「糖尿病アラート犬」としての訓練を受けていなかったため、家族は専門家の助けを借りながら、ジェダイがルーク君の血糖値の異常をニオイで感知できるよう9か月かけて訓練を行った。ジェダイがドリーさんのところにやってきて頭と腰を低くするとルーク君の血糖値が下がりすぎた合図、前足を振って知らせると血糖値が上がりすぎた合図だという。
ドリーさんには忘れられない夜がある。真夜中に突然、ドリーさんのベッド脇にやってきてベッドに上がったり降りたりするジェダイ。眠い身体を起こしたドリーさんがルーク君の血糖値レベルを示すモニターの数値を確認すると「100mg/dL」で正常値を示していた。再び眠りにつこうとするドリーさんだったが、ジェダイがしつこく食い下がったために再度確認すると、数値は「57mg/dL」に。「ジェダイの振る舞いからして、ルークの血糖値は急降下していったんだと思います」とドリーさんは振り返る。
正常な血糖値は80mg/dLから120mg/dLと言われ、ルーク君の場合40mg/dLから高くて400mg/dLにまで跳ね上がるという。ドリーさんは「血糖値が20mg/dLになると、ルークは床に転がって泣き始めるんです。“何も感じない。自分の体じゃないみたいだ”って。ジェダイはそうなる前に私に異常を知らせてくれたんです」と、命を救ってくれたジェダイに多大な信頼を寄せる。
ジェダイは一日に6回から8回も危険を知らせてくるといい、家族にとってはなくてはならない存在である。もちろんルーク君とジェダイは大の仲良しだ。「ジェダイはりっぱな糖尿病アラート犬です。そしてルークに笑顔をもたらす親友でもあるのです」とドリーさんは嬉しそうだ。このラブラドール・レトリバー、「ジェダイ」の名前に負けず、強力な「フォース」を持っているようだ。
(Techinsight)