このほど中国・陝西省の病院で、若い男が看護師に大変な暴力をふるい、焼き殺そうとして逮捕された。その病院に入院していた母親が死亡し、損害賠償の求めが受理されないことから医療スタッフを逆恨みするようになっていたという。
陝西省宝鶏市にある「Baoji Central Hospital」という大病院で今月14日午後8時すぎ、錯乱状態で女性の看護師に暴力をふるった男が逮捕された。男は“Da”と名乗っており、取り調べに対して「母を死なせた罰だ。看護婦を焼き殺し、病院を全焼させてやろうと考えた」などと供述。当時その病院には医療従事者、職員、患者とその家族など1,053人がいたという。
『網易新聞(news.163.com)』が伝えているところによれば、エレベーター内でいきなり髪をつかまれ床に押し倒され、ボトルに入っていたガソリンをかけられたという外科病棟看護師のリー・ミンさん。エレベーターを3階で止め助けを求めて絶叫し、駆けつけた男性3名がその男を取り押さえた。リーさんは頭を激しく叩かれており、患者の家族による逆恨みの暴行という事実に精神的なショックも大きいようだ。
男の母親は先月中旬から脳疾患により入院していたが、今月6日に病院を抜け出て近くの河原で遺体となって発見されていた。手首を切っての自殺であったが、監視体制に問題があったとして家族は病院に損害賠償を要求。しかし病院側が「申し立ては裁判所で行うように」と求めたことから関係がこじれていたという。
中国では治療に不満を抱いた患者が医師にナイフを向ける、あるいは患者の死亡に遺族が病院側に怒りをぶつけるという事件があとを絶たず、損害賠償を求めて裁判に持ち込まれるケースも少なくない。昨年には広西チワン族自治区のある病院で今回と同様の事件が発生し、医師が全身火だるまにされている。しかし最近では深セン市から逆のケースも伝えられていた。子供を亡くした遺族に病院が損害賠償として札束を提示したところ、両親は「どんなにお金を積まれても亡くなったわが子は戻ってこない!」とそれを拒絶。土下座して謝るよう求めたという。
(Techinsight)