
ロシアが支える親ロシア派武装組織とウクライナ政府の紛争で、2014年にロシア人記者らの殺害に関与したとして殺人罪に問われたウクライナ軍の女性中尉、ナディア・サフチェンコ氏(34)に対し、ロシア南部ロストフ州の裁判所は21日、有罪を言い渡した。
中尉側は裁判を「茶番」と批判し無実を主張していた。量刑は22日に言い渡される。求刑は懲役23年。
ウクライナで中尉はロシアの軍事介入に対抗する英雄と位置付けられ、拘束後に実施された最高会議選では親欧米政党の比例代表候補として当選したため国会議員の肩書も持つ。有罪とされたことで、ウクライナの反発は一層強まりそう。
裁判所は、中尉が「憎しみや敵意に基づき、殺害を共謀し実行した」と断じ、14年6月にウクライナ東部ルガンスク州でロシア人記者ら2人を殺害したと認定した。中尉側は、殺害事件が中尉拘束から1時間以上後に起きており、無関係だと訴えていた。