円山ホテル、6億元投じて全面改装
台北市の円山飯店(グランドホテル)が6億台湾元を投じ、過去最大規模の改装に着手する。経営幹部によると、改装は10月から3段階に分けて行い、来年9月末の完工を目指す。第1段階では7〜9階の客室を、第2段階ではレストランを、最後に2〜6階の客室を改装する。終了後の平均客室単価は4200台湾元、平均稼働率80%を目標としている。
台湾人理事、IOC会長選に立候補表明
国際オリンピック委員会(IOC)理事で、台湾人の呉経国氏は23日、台北市で記者会見し、9月に退任するロゲ会長の後任を選ぶ会長選に立候補すると正式表明した。会長選にはドイツやシンガポールなどからすでに3人が名乗りを上げている。投票は9月にアルゼンチンで開催される総会で行われる。呉氏はアマチュアボクシングの世界的統轄組織であるAIBAの会長も務めている。
スーパーの全聨、5年で1千店舗に挑戦
スーパー大手の全聨福利中心(PXマート)の林敏雄董事長は5年以内に、台湾全土で計1000店舗展開する計画を明らかにした。現時点では約660店。まず年内に700店に増やす予定だ。今年の通年売上高は前年比10%増の730億台湾元を目指す。全聯は台中市沙鹿区で約10億元を投じて約1万坪の物流センターの建設や、新北市新店区でパンの製造工場を設ける計画も進めている。
陳水扁氏、民進党に復党を申請
陳水扁前総統はこのほど、民進党所属立法委員を通じて同党への復党を申請した。民進党の林錫耀秘書長は復党申請について、陳前総統は自主的に離党して除名されたわけではないので、規定に従って審査を受けて了承されれば復帰が可能と説明した。台南市選出の陳唐山・立法委員は陳前総統の党復帰を求めて立法委員や地方議員からの署名を集めており、25日開催の党大会で提出する予定だ。
嘘から出たマコト 「湾生の孫」台湾では居心地良い?
かつて日本領台湾で生まれた日本人子女は「湾生」と呼ばれた。「湾生と台湾の絆を映像に残したくて−」。台湾在住の女性、Mさんは「家を売った」という。その資金で日本から高齢の湾生たちを招いて、故郷再訪場面を撮影すると聞き、東部の花蓮で涙の帰郷に立ち会った。確かに湾生と台湾の絆を記録できる最後の機会といえるかもしれない。
Mさんは30代後半。日本語は話せないが日本人という。「なぜ湾生に興味を」と問うと、「他界した祖母が湾生だった」と話す。幼時に母親と死に別れ、「6歳まで青森で母方の祖母に養われた後、台湾人の養父に引き取られた」という。
だが取材するうちに、経歴に関してつじつまが合わないことに気づいた。それを指摘すると、長い沈黙の後で「台湾人です。ごめんなさい」と嘘を認めた。
「私は日本人」「湾生の孫」と嘘をついた理由は分からない。親日的な台湾で嘘の居心地の良さから抜け出せなくなり、その代償として湾生の記録を残すことを自分に課したのだろうか。
Mさんの企画は地元の花蓮県なども支援している。嘘から生まれた企画という点では悩ましいが、制作スタッフはプロで、何より記録対象の湾生と台湾の絆は真実。どのようなドキュメンタリーができあがるだろうか。
5月24日:台湾株式市場0.34%下落
2013年5月24日、台湾株式市場は続落。
台湾加権指数(発行量加権株価指数)は前回取引日より0.34%下落、8209.78ポイントで取引を終えた。
本日の売買代金は829億5600万台湾ドル(約2820億9500万円)。前回取引額の1045億7400万台湾ドル(約3557億200万円)から大幅に縮小した。
マカオ:4月訪問客数僅かに増加(2013)
2013年5月24日、マカオ特別行政区政府が2013年4月の入境者状況を発表した。
報告によると、マカオ2013年4月の旅客数は、2012年同期から0.7%増加し、239万8340人(回)に達した。
ただ1月―4月の累計旅客数は、2012年同期比で1.6%減少し、947万4782人(回)に留まる。
1月―4月旅客の内、中国大陸部からの訪問客が、2012年同期比5.9%増の595万456万人を占めた。
その他地域では、香港からの訪問客が前年同期比4.7%減の226万2993人、台湾訪問客が前年同期比4.6%減の32万195人となっている。
日本の教会で挙式、ロマンチックなツアー流行か!?
台湾の航空会社・中華航空(チャイナエアライン)が、若者カップルをターゲットに日本でのウェディング・プランに力を入れているという。台湾メディアが報道した。
台湾のラジオ局「中國廣播公司(BCC)」は放送やウェブニュースで、「若者たちの間で流行している挙式場所は、海外の美しい島や教会」と伝え、「中華航空と星野リゾートが提携し、日本のウェディング・プランを打ち出した」ことを発表した。星野リゾートは、長野県に本社をおく旅館やリゾートホテルの運営会社。
報道によると中華航空は「結婚を控えたカップルに、東京近郊の軽井沢(長野県)や山梨県などの教会での挙式プランを準備し、日本でハネムーンを楽しむツアーを企画した」とのこと。挙式予定の3人のキャビンアテンダントが、6月に日本へ行きツアーを実体験するという。「台湾から東京は週に37本の便が運航中。日本式の教会での挙式はロマンチックで、親族や親友たちも日本へ旅行できます。挙式費用は15万台湾ドル(約51万円)程度で、旅行代理店にて申込みを受付けます」と、安い価格設定で中華航空はPR。
日本人の挙式スタイルにあこがれる台湾のカップルは少なくないらしく、日本風挙式プランが現地であるほどだ。実際に日本の高級リゾート地で、愛する人と夫婦になれたら……と、この中華航空のツアーは話題になり、人気を集めるかもしれない。台湾での挙式よりは費用がかさむと思われ、どんなカップルがツアーを利用するのか、年齢層や職業などプロフィールが気になるところだ。
日本でまた台湾漁船拿捕、担保金430万円で解放
沖縄県の排他的経済水域(EEZ)で違法操業をしたとして、日本・水産庁の漁業取締船が23日午前、漁業主権法違反(無許可操業罪)の容疑で台湾漁船「福昌168号」を拿捕(だほ)し、船長を逮捕した。船長と漁船は担保金430万円で釈放された。日台漁業協定の発効後、ここ10日間で台湾漁船が拿捕されるのは3件目。中新社が伝えた。
台湾・中央社や雅虎奇摩などでの報道によると、現地時間の23日午前2時10分、水産庁の漁業取締船「東光丸」が沖縄県八重山郡竹富町の鳩間島灯台から北東約41キロの海域で福昌168号が操業しているのを発見。福昌168号の船長を現行犯逮捕した。
福昌168号46.29トンのはえ縄漁船で、南方澳漁港の所属。船内には45歳の蘇沢鴻船長を含む8人がいた。
相次ぐ台湾漁船の拿捕について、台湾農委会漁業署の沙志一署長は23日、「現在はクロマグロの漁獲期だ。漁民は魚群を追い、不注意で境界を越える可能性がある。漁民は操業に当たって境界に注意する必要がある」と述べた。
沙志一署長によると、拿捕された漁船と船長は430万円の担保金を支払うことで釈放された。
ここ10日間で台湾漁船が日本側に拿捕されたのは3回目。5月14日には高雄船籍の「正昌発2号」が、また21日には屏東県小琉球船籍の「瑞明発号」が拿捕されている。
【香港】早くも黒字転換、誠品書店の香港1号店
昨年8月に開業した台湾の出版・書店大手、誠品書店(エスライト・ブックストア)の香港1号店が早くも黒字転換を果たした。23日付台湾紙・工商時報などが伝えた。
グループ統括会社である誠品生活(エスライト・スペクトラム)の呉旻潔総経理(社長)は22日、台北で業績説明会を開き、コーズウェーベイの大型ショッピングモール「ハイサン・プレース(希慎広場)」にある香港1号店が今年1〜4月に利益を計上したことを明らかにした。
誠品書店は高級感あふれる内装の店舗や多彩な文化イベント開催など、台湾での成功経験を香港に持ち込み、短期間で成功を収めた形。呉社長によると、1坪(約3.3平方メートル)当たりの販売効率は本家台湾で24時間営業を行っている台北敦南店を上回ったという。
今後の出店予定について、呉社長は「来年は中国大陸で蘇州店を開業した後、香港と大陸で毎年少なくとも1店舗を出店したい」と述べた。香港ではセントラルなどへの出店を狙う。
ソニーモバイルコミュニケーションズ台湾ODMへの発注量上昇
ソニーモバイルコミュニケーションズは、今年と来年の業務成長に伴って台湾メーカーに対するODM(相手先ブランドによる設計、製造)の発注量は上昇し、メーカー側の出荷量全体に占めるソニー製品の比重も増加を続けると指摘した。
台湾で現在、同社の代理生産を請け負っている華宝通訊(COMPAL COMMNICATIONS)、華冠通訊(Arima Communications)などで今後の業績成長が期待されている。
また台湾市場における販売でも、ソニーモバイルは経費を倍増するとともに、流通方面での人材を増やすことを計画している。
台湾ソニーモバイルは第1四半期(1〜3月)、台湾のハイエンドスマートフォン市場で販売額の3位となったことから、さらに今年通年で2位を目指している。
市場調査会社の最新統計によると、4月における台湾の携帯電話市場の販売量ランキング上位5ブランドは、サムスン、宏達国際電子(HTC)、ソニーモバイル、アップル、ノキアの順となった。
フェイスブック、台湾企業と共同でクラウドデータセンターの認証ラボ開設
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手のフェイスブックが主導するデータセンターのオープンソース化プロジェクト「OCP(オープン・コンピュート・プロジェクト)」は24日、台湾のクラウドコンピューティング産業の業界団体である台湾雲端運算産業協会と、台湾支社となる「OCPT(オープン・コンピュート・プロジェクト・台湾)」を設立した。
OCPTはフェイスブックのコンセンサスを得て、年末には台湾で世界初となるOCP認証ラボを設立する方針。
フェイスブックの世界でのユーザーは11億を突破しており、データセンター分野での規格制定、調達コスト引き下げなどを主な目的にOCPが設立された。
フェイスブックは、自社のソフトウェアデザインの規格を公開するほか、同プロジェクトのメンバーに対してソフトウェアのデザイン、IP(設計資産)などを共有するよう要請しており、現在は大手企業50社以上が加入している。
今回、OCPと台湾雲端運算産業協会が設立したOCPTは、台湾メーカーと共同でクラウドデータセンターのハードウェア基準を開発することでデータセンターの効率向上、電力使用量の引下げ、データセンターの標準化を進める。
OCPTの初期のメンバーは、英業達(Inventec)、華碩電脳(ASUS)、台達電子(DELTA)、中華電信(Chunghwa Telecom)、緯創資通(Wistron)傘下の緯穎科技服務(Wiwynn)、技嘉科技(GIGA-BYTE TECHNOLOGY)、遠伝電信(FAR EASTONE)、台湾大哥大(Taiwan Mobile)の8社、および工業技術研究院。
中国で人気の「酸菜牛肉麺」が台湾に上陸、統一と康師傅の競争激化
中国のインスタント麺市場において高いシェアを誇る「酸菜牛肉麺」が台湾に上陸する。
統一企業(Uni-President)は23日、「老罈酸菜牛肉麺」を5月29日に統一超商(セブンイレブン)および全家便利商店(ファミリーマート)で販売を開始すると発表した。
これに対して康師傅(Master Kong)も「真有料酸菜牛肉麺」を6月12日に全家便利商店で販売する。販売価格は、統一の酸菜牛肉麺が35台湾元、康師傅が39台湾元となるもよう。
2社は現在、中国のインスタント麺市場で販売シェアを争っている。統一企業が先に発売した酸菜牛肉麺がシェアを伸ばす中、康師傅も同様の味でシェア獲得を目指しており、今後は台湾でもシェア競争が激化するとみられる。
台湾では、年間のインスタントめん市場の生産高は約90億台湾元に達している。しかし、今年1〜4月の販売額は昨年同期比10%減少した。
34歳以上は正社員にはなれない? 職場への不安意識調査で
求人情報サイトのYes123は20日、「職場に対する不安意識調査」を発表した。同調査によると、アンケートに回答したサラリーパーソンの91.1%以上が「現在の職場に対する不安」を感じていると答えた。また、「退職年齢を迎えるまで、現在の職場で働くことに不安はない」と回答した人はわずか16%だった。
不安を感じる理由のトップは「賃金が低すぎる」で63.6%だった。次いで「年齢の上昇」が59.6%、「現在の専門以外の得意分野に乏しい」が41.7%、「専門知識の不足」が37.8%、「昇給が困難」が34.6%だった。
また、同調査で台湾の企業180社に対してアンケートを行ったところ、87%の企業が人材募集において採用の条件として年齢を考慮すると回答した。そのうち、正社員として雇用できる年齢上限は平均34歳までだった。また、中間管理職は平均44歳まで、上級管理職は平均49歳までとなった。
星野リゾートと台湾の易遊網旅行社・中華航空が日本での婚礼ツアー企画
円安ドル高の影響で、台湾では日本観光を計画する人が増えている。また、海外で結婚式を挙げるケースも増えている。この機会に、日本での結婚式をテーマにした観光商品で市場展開を図る旅行社がある。
台湾の易遊網旅行社(ezTravel)は21日、日本の星野リゾートの台湾総代理である湯桂禎旅行社、中華航空(チャイナエアライン)の台北分公司(支社)と、業務提携の覚書に調印した。内容は、易遊網が星野リゾートグループ内の5つの教会(長野県軽井沢町、山梨県)で挙式する旅行商品を計画し、中華航空が優待価格のビジネスクラスを提供する。料金は4泊5日で15万台湾元から。
21日、中華航空の職員から3組が選ばれ、6月初めに日本で挙式することが決まった。
対日窓口のトップに李嘉進氏が就任
台湾の対日窓口機関、亜東関係協会は24日の役員会議で、廖了以会長の後任に国家安全会議(安全保障政策担当)の李嘉進諮問委員が就任する案を承認した。
母親の高齢などを理由に辞任を申し出た廖氏は退任後、総統府の最高顧問、総統府資政に転任する。
筑波大学大学院卒業の李氏は、立法院議員や与党・国民党立法院議員団書記長などを歴任、国家安全会議の諮問委員を務める傍ら台日関係を担当、長期にわたって日本関連の問題に関心を寄せてきた。
政府上層部は、歴代会長のうち最年少となる李氏の就任で、台日関係がより深まることを期待している。
右胸心でアジア初の移植手術に成功
台北市内の総合病院、三軍総医院は23日、右胸心患者に対する心臓移植手術にアジアで初めて成功したと発表した。手術を受けたのは66歳の台湾女性(=写真左2)で、2年ほど前不調を訴え検査を受けたところ、胸の左側にあるはずの心臓が右側にあることが明らかになった。手術は4月26日、7時間にわたって行われ、すっかり回復した患者は車いすに乗って23日、記者らの取材に応じた。この女性はあす25日退院する。
右胸心では心臓につながっている大きな血管も左右の配置や長さが異なる。このため、ドナーの左側にあった心臓を患者体内に移植するのは難度をともなう技術。手術担当医の蔡建松医師は国内の心臓移植の権威などを招き、海外での手術例について検討し、過去20年間の研究論文を参照、手術前周到に備えた。
これまで右胸心患者の心臓移植手術は世界でもたった5例で、このうち3例は欧米での手術、アジアの2例は術後短期間内に死亡している。1990年代に手術を受けたベルギーの少女は術後も生存しているが、今回手術を受けた台湾女性はアジアで初の生存例となる。
IOC会長選に呉氏が出馬表明 台湾初のIOC理事
国際オリンピック委員会(IOC)の呉経国理事(66)が23日、台北市内のホテルで記者会見を行い、この9月に予定されている同会の会長選挙に立候補すると発表した。
国際ボクシング協会(AIBA)の会長でもある呉氏は、グローバル化した世界の現状をふまえ、IOCは環境や貧困の問題、宗教対立にも目を向けるべきだとし、オリンピック精神のさらなる発揚と社会福祉の促進に強い意欲を示した。
中国大陸・四川省生まれで台湾育ちの呉氏は1988年からIOC委員を務め、2012年には台湾初のIOC理事に選ばれた。
ジャック・ロゲIOC現会長(ベルギー)の後任を選ぶ会長選が9月、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われ、呉氏のほか、副会長のセルミャン・ウン(黄思綿)氏(シンガポール)、トーマス・バッハ氏(ドイツ)、委員のリチャード・キャリオン氏(プエルトリコ)も出馬を表明している。呉氏かウン氏が当選した場合、1894年のIOC設立以来、同会初のアジア出身の会長となる。
台湾初のH7N9鳥インフルエンザ患者、きょうめでたく退院
中国大陸で鳥インフルエンザH7N9ウイルスに感染し、台湾初の症例となった53歳の台湾男性が35日間の治療を経て回復、きょう24日無事退院することになった。この患者は治療期間中、重傷呼吸不全を起こし、人工肺の使用、人工透析、抗ウイルス剤の多量投与が行われた。
男性は今年3月28日江蘇省蘇州市へ出張、4月9日上海を経て台湾に戻ったが、12日から発熱・疲労などの症状が出始め、16日高熱で病院にかかった。入院時よりタミフル服用を開始したが、19日夜間呼吸がひっ迫、20日台湾大学付属病院に転院、緊急入院した。
患者の呼吸は22日以降も悪化、人工肺や呼吸器を使用し集中治療室での治療が続けられ、詳しい検査の結果、24日鳥インフルエンザ感染が確認され、台湾初のH7N9輸入症例となった。直ちに抗ウイルス薬ペラミビルの静脈注射が行われたが腎機能が低下、25日より人工透析を開始した。
治療の結果、容態は徐々に回復、5月2日に人工肺を、7日には呼吸器を取り外し、患者体内にはウイルスが見られなかったため、9日より一般病棟での治療に移った。その後、呼吸・腎機能共に安定、きょう24日の退院となった。このあと患者は自宅での療養に入る。
台大病院では24日午前記者会見が開かれ、男性は「15キロ痩せたが体調は良い。病院と家族に感謝するとともに社会に不安を与えたことを申し訳なく思う」と述べた。
台湾、外国人旅行者に無料Wi-Fiサービス
21日から、台湾の固定連絡先などを持たない海外からの旅行客も、台湾の主要なエリアで提供されている無線インターネット接続サービス「iTaiwan」などの利用が可能となった。
入国の際に交通部観光局の受付などでアカウントを申請すれば90日間の無料ネットアクセスができるようになる。昨年の訪台外客数は延べ700万人を超えており、近年普及しているスマートフォンでは通話よりネットアクセスが重要であることなどを考慮した。
開放拠点は台湾全土で4400カ所を網羅するiTaiwanのほか、台北市内で6000カ所を超える「TPE-Free」など。
観光局は、東アジアの旅行市場を競い合う日本や韓国、香港などでも同様のサービスが推進されているが、iTaiwan開放後は、台湾のWi-Fiサービスが地域最高レベルとなると自信を見せている。
八田技師の親族、財布を届けてくれたタクシー運転手に大感謝
日本統治時代に台湾の治水に尽力した八田與一技師の親族から先日、台南市長あてに手紙が届いた。今月来台した際にタクシーに財布を忘れ、それをわざわざ届けてくれた台南のタクシー運転手へのお礼状で、感謝の気持ちが丁寧につづられていた。
八田技師の兄の孫にあたる八田守さんは、毎年行われている八田技師の追悼式に参加するため8日に台南を訪問。翌日、帰国を急ぎホテルからタクシーで台湾高速鉄道の台南駅に向かったが、車内に財布を置き忘れてしまった。搭乗時間が迫る中、高鉄チケットを買うこともできず途方に暮れ、駅警察などに相談したところ、なんと財布はすでに駅に届けられていた。
お礼をしようにも運転手の名前もわからず、台南で乗ったタクシーだったことから、守さんは帰国後すぐにお礼の手紙をしたため、台南市の慈善団体への寄付金2万円を同封して頼市長あてに送った。
市では、守さんの気持ちに感謝するとともに、名も告げずに落し物を届けた運転手を捜し出し、守さんのメッセージを必ず伝えたいとしている。
台湾の親切なタクシー運転手に驚く旅行客は多いようで、落し物を届けた運転手に謝礼を渡そうとして拒まれた中国大陸の作家、韓寒氏が「台湾には自分たちにはない価値がある」と絶賛したことも。日本語から派生した台湾語「ウンチャン」の愛称で親しまれる台湾のタクシードライバーは、民間外交の重要な立役者として今日も笑顔で街中を走っている。
中国で憲法論議…改革派は過去の日本・台湾民主化を評価・称賛
中国で「憲政」を巡る議論が活発だ。改革派は、執政者は自由と人権の保証する憲法を守れと主張。代表的雑誌の「炎黄春秋」は、日本の日清・日露戦争勝利を、憲政を確立し国が一丸となって戦った結果と評価、国民党の独裁に終止符を打った台湾の民主化も称賛する文章を掲載した。共産党系の環球時報は「憲政要求」を、西側の政治制度を導入せよとの政治的要求であり、「1種の幻想だ」と主張した。
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「炎黄春秋」は5月号で、中国政法大学の郭世佑客員教授の文章を掲載。中国では、清朝末期に作られた「欽定憲法大綱」をもって「中国の憲政の歴史は100年」との主張があるが、現在になっても憲法は機能していないと主張。
明治維新以降の日本で作られた憲法を参考に、中国では清朝末期に「憲政」が試みられたが失敗したと紹介。日本は日清戦争に向け、天皇が宮廷費の10分の1を海軍建設のために拠出し、文官・武官が次々に天皇にならったが、清朝では西太后が海軍建設費を頤和園建設に流用するなど、正反対の現象が発生していたと論じた。
日露戦争についても「立憲君主制の日本が君主専制のロシアを破った」と評価した。中国では日清・日露戦争を「その後につづく、日本軍国主義の発動」と批判的に扱う場合が多い。「日本は新体制を確立したので、国が一丸となって戦うことができた」との評価は、異例だ。
同文章は、台湾で蒋経国総統(当時)が1987年に実行した戒厳の解除、すなわち国民党自らの独裁体制放棄を称賛。「中国人は完全に、自らの努力を通して民主政治を実行することができる」、「香港のように、(英国という)他人の力を借りる必要はない」、「中国の伝統文化と西側の民主理念は融合できる」と主張した。
独裁政治については、第二次世界大戦と前後して米国の研究者が発表した「ドイツ、イタリアの専制政権の特徴」を列記。「狭隘(きょうあい)な国家主義の感情が、宗教的熱狂のレベルに達する」、「政府への反対意見は厳格に取り締まる」、「国家主義という宗教」、「歴史と科学的心理を曲解する」、「政党が報道を統制する」、「外の世界の真実について、人民を無知の状態にとどめる」と紹介。
上記は、重慶市で左翼的な強権統治を進め、汚職に関与したとして失脚した共産党同市委員会の薄熙来前書記との関連で紹介したが、中国共産党の体質そのものを批判しているようにも読める。
文章は、清朝末期やその後の混乱期と現在の社会情勢は全く異なり「憲政の客観的条件は、ほぼ成熟している」と主張した。
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中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は22日付で、「憲政要求」を批判する論説を掲載した。「憲政要求」は理論問題ではなく、政治主張だとの見方を示し、「実際には回りくどく、新たな言い方で、中国は西側の政治制度を受け入れるべきだという古い要求をしているだけ」と論じた。
「中国はしっかりと法治国に向けた道を進んでいる」と主張し、憲政の要求は「中国政治の主流の外の枝葉」と決めつけた。
中国の現状について「政治的な寛容度はかなり大きく、経済と社会建設は勇壮な勢いで進んでおり、政治の発展と協調しあっている」と論じた上で、「憲政」の要求については、「中国の進歩を断ち切るものであり、国家の政治方向をねじまげるものだ。言っていることは結局は1種の幻想だ。頭脳をそのように急転換する必要はないだろう」と、論じた。
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中華人民共和国憲法には、「中華人民共和国公民は言論、出版、集会、結社、行進および示威の自由を有する」(第35条)、「中華人民共和国公民は、宗教信仰の自由を有する。」(第36条)「中華人民共和国公民の通信の自由および通信の秘密は、法律の保護を受ける」(第40条)など、“西側諸国なみ”の人権保護の内容を盛り込んでいる。
「炎黄春秋」は改革派の代表的雑誌。2013年1月に「憲政」を要求する論説を発表して、公式サイトが一時閉鎖された。5月には再び「100年の憲政という認識における誤解」との見出しで上記文章を発表した。
環球時報は、「憲政要求」について、「理論問題でなく政治主張」と反発した。「憲政要求」は、「法治国家を目指す以上、憲法に明記されている内容は順守すべきだ」と、論理的にはきわめてまっとうな主張であり、反論は難しい。そのためなのか、従来からの「中国の現状にそぐわない」との主張を前面に出すことになった。
「炎黄春秋」は台湾の実例なども挙げ、「中国人でも可能」と主張したが、その点に対する反論は示されていない。
環球時報の論説は、改革要求に対する習近平政権の「反撃」と見られている。憲政要求を「理論問題ではなく政治主張」と形容したことも注目に値する。中国でこの表現が用いられる場合には、かなり深刻な「権力闘争」が進行中である場合が多い。
中国では1989年に、民主化要求をする学生らを権力側が武力で鎮圧した天安門事件が発生した。その後、ソ連崩壊後のロシアが混乱したことから、「まずは経済改革。政治改革はその後」との言い方が定着した。
しかし経済成長を達成した後も、政治改革が真剣に検討されたとは言えない状態が続いている。そのため、現体制を批判する動きが、散発的に続いている。天安門事件が発生した6月4日は、中国では政治的に「極めて敏感な日」だ。今後も、「憲政要求」に絡む“攻防戦”が続く可能性がある。
なお、中国語版グーグルで「炎黄春秋」を検索すると、「このサイトは攻撃を受けている可能性があります」と表示される。同表示は、通常は第三者がサイト所有者の許可を得ずにサイトを制御していることを意味し、同サイトを閲覧したユーザーが、不正に情報を収集されるおそれもあるという。