中国“国家級の実験”がおじゃんに・・原因は大学設備からの銅管窃盗

中国“国家級の実験”がおじゃんに・・原因は大学設備からの銅管窃盗、損失１５００万円

中国湖北省武漢市にある華中農業大学で昨年１１月、室外にあった空調設備の銅管２本が盗まれ、実験室内の気温調整がうまくいかず、“国家級”の実験が失敗していたことが分かった。同省の地方紙・楚天都市報が２１日伝えた。

報道によると、銅管２本を盗んだ男はこれらを廃品として１本４０元（約７７０円）で売り払い、計８０元を手にしていた。

一方、実験室内では室温を摂氏２８度に保った状態で稲が穂を出す際の様子の観察が行われており、銅管が盗まれたことで気温が保たれなくなり、この実験は失敗。それまで２カ月ほどの観察で得たデータが使えなくなったため、８０万元（約１５４０万円）余りの投入が無駄になった。また、論文にこの実験データを使用する予定だった博士課程の学生は、卒業が先送りになってしまったという。

同大学内では今年１月と３月にも空調設備の銅管が盗まれており、警察は防犯カメラの映像などから、いずれの犯行も武漢市内に住む男によるものと断定。４月１０日、男を逮捕した。男は同大学やほかの大学内でこれまでに５０件、銅管を盗み、廃品として売って得た金を小遣いにしていたという。