官邸ドローン事件関与?男が出頭
首相官邸(東京都千代田区)の屋上で小型無人飛行機(ドローン)が見つかった事件で、福井県警に24日、関与を認める男が出頭した。警視庁が発表した。威力業務妨害などの疑いで調べる。警察関係者によると、出頭した男は40代で「反原発を訴えるために自分が官邸にドローンを飛ばした」と話しているという。
捜査関係者の話では、男は24日午後8時過ぎ、小浜署(福井県小浜市)に1人で出頭した。小浜市在住という。警視庁は捜査員を現地に派遣。男から事情を聴き、事件への関与の有無について裏付けを進める。
ドローンは22日午前、官邸の屋上に落ちているのを官邸職員が見つけた。プラスチック容器が取り付けられ、放射性セシウムに由来する微量の放射線が検出された。警視庁は、24日に実施した機体の検証で、プラスチック容器には土が入っていたことを確認。東京電力福島第一原発の事故による汚染土の可能性もあるとみて調べている。
機体は、中国のドローン製造大手DJI社の「ファントム2」。機体には、小型のデジタルカメラ(縦5センチ、横6センチ、厚さ2センチ)や映像を電送する装置、プロペラを守る枠が取り付けられていた。元々の機体は白色だが、黒い塗装を施していたとみられる。4カ所に付いているLEDライトも黒く塗られていた。
同庁によると、ドローンが見つかった後、官邸の屋上の写真を撮影した人から「黒い物体が写っている」との複数の情報が寄せられた。一番古いもので、撮影日は4月15日だった。