ネパール地震死者2千人超に=遠隔地、被害把握進まず―エベレストで400人孤立
【ニューデリー時事】ネパール中部を震源とする大地震で、AFP通信は26日、インドなど周辺国を含む死者が2000人を超えたと報じた。都市部から隔絶されている農村地域の被害は、地震に伴う土砂災害や通信事情の悪さなどが原因で全容が把握できていない。犠牲者はさらに増えそうだ。
死者の内訳はネパールが1953人、インドが53人、中国が17人。
米地質調査所(USGS)によると、ネパールではマグニチュード(M)4以上の余震が断続的に発生。現地からの報道では、首都カトマンズでは市民が屋外で毛布をかぶり、度重なる揺れの中で不安な夜を過ごす光景が見られた。
AFP通信によると、ネパール内務省報道官は被災者支援の緊急基金に5億ドル(約595億円)を拠出すると発表。各国・機関からの支援申し出も相次ぎ、軍用機や救援活動に当たる兵士約280人を急派したインドのほか、日本も国際緊急援助隊・救助チームを派遣、欧州連合(EU)も人道支援のための要員と資金を送ると表明した。
しかし、被災地では倒壊した建物が多く、救助活動は時間との闘いを強いられている。国際赤十字・赤新月社連盟(本部ジュネーブ)のアジア太平洋地区担当者は声明で「震源に近かった農村地域へ近づくための道路が地滑りで損壊・遮断され、正確な情報が得られない。甚大な破壊と人命の損失が予想される」と直面する困難を訴えた。
春の登山シーズンを迎え、多くの外国人登山者が訪れていた世界最高峰エベレスト(8848メートル)では、大規模な雪崩がベースキャンプを襲った。地元警察は時事通信に「外国人10人と地元住民4人の遺体を発見したが、いまだ身元は確認できていない」と語った。標高6000メートル以上にある「キャンプ1」と「キャンプ2」には300~400人の登山者が取り残され、救助を待っているという。