中国人観光客が世界で失う評価 機内での暴力、大げんか、窃盗…
昨年末から今年1月にかけて、またしても中国人観光客の「迷惑行為」が世界を駆け巡った。いずれも航空機内で起きたトラブル。取っ組み合いの大げんかを繰り広げたり、客室乗務員にお湯をかけたり。一連の事態に中国国民からも「恥辱だ」との声があがる一方、政府当局も対策に乗り出した。
韓国を笑えぬ“カップ・リターン”…裕福な「野蛮人」が失う評価
中国の国営英字紙のチャイナ・デーリーや新京報(いずれも電子版)などによると、事件は昨年12月11日、タイ・バンコクのドンムアン空港発南京行のエアアジア便の機内で起きた。
まず4人組の乗客が席が離れていることに腹を立てた。さらに、このうちの女性客の1人が離陸後、1人の女性客が客室乗務員に対し、カップ麺(めん)と熱湯を要求。乗務員は安全性を理由にいったんは断ったものの、結局、用意した。だが、用意されるスピードや支払いでもめ、4人のうちの男性客が、客室乗務員に「機体を爆破してやる」などと脅迫。女性客はカップ麺をぶちまけ、熱湯を乗務員にかけた。さらに機内から降りると騒いだという。
この影響で同便はバンコクにUターンしたが、他の乗客がこれらの様子を撮った動画や写真がさまざまな投稿サイトに掲載され、世界に広がった。
中国の国家観光局は、当該の4人を厳しく処罰するとし、旅行客のブラックリストに掲載するという声明を公表。米CNNや英デーリー・メールなど各国メディアも相次いで報道した。
4人に対しては、タイ当局が、客室乗務員に5万バーツ(約18万円)の賠償金支払いを命じ、熱湯をかけた女性客には別に200バーツ(約720円)の罰金を科した。チャイナ・デーリーは4人を「野蛮人」と非難した上でこう指摘している。
「4人は裕福で罰金を気にすることはないかもしれないが、どんなにお金を積んでも(中国人全体の)失われた評判を取り戻すことはできない」