中国のネット上に掲載された、賭博の疑いで中止となった江蘇省南京市のポーカー大会に参加する歌手の汪峰氏(中央奥)。汪峰氏側は「参加したのはチャリティー大会」と賭博への関与を否定。後方には「慈善」の文字が見える
中国江蘇省南京市で開催されていたポーカーの競技会が、賭博行為の疑いで突然、中止となり、公安当局が調査に乗り出す事態となっている。地元の体育当局などが主催する大会だが、全国の体育当局を統括する国家体育総局は、関与を完全否定している。
北京紙、北京晨報などによると、中止になったのは、同市の五台山体育センターで14~19日に開催される予定だったポーカーのトーナメント大会。米国のカジノでも一般的な、「テキサス・ホールデム」というゲームで競われることになっていた。
大会には香港やマカオからの出場者も含め、1千人以上が登録。今年2月、香港や米国などでも活躍している中国の著名な女優、章子怡(チャン・ツィイー)さんに求婚して話題となった歌手の汪峰氏や、2008年北京五輪射撃男子ライフル3姿勢の金メダリスト、邱健氏の名前もあったという。
ところが、開幕後の16日になって、市民から「大会」の実態が賭博行為だとの通報が寄せられた。習近平指導部が風紀の取り締まりを強める中、当局は敏感に反応。同センターに「賭博行為の疑いにより公安当局が調査をしており、活動を中止する」旨の公告が貼り出された。
大会の参加者は3千元(約6万円)の出場料を支払う。そのうち10%にあたり300元(約6千円)が管理費に充てられ、残る2700元(約5万4千円)でチップと交換する仕組みになっていたという。