英国のロンドン警視庁は16日までに、シリアに渡航した英国人の過激派は約700人と推定され、このうちのかなりの部分はイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」への加入が目的とみられるとの見解を示した。
また、シリアへの渡航歴がある数百人規模の英国人が帰国したとも分析。警視庁幹部はこの実情を踏まえ、ISISに触発された犯罪行為が英国内の街頭などで発生する脅威は高まっているとの懸念を明らかにした。
警視庁によると、昨年4月から今年3月までの間に起きたテロ関連の逮捕件数は338件で、1年前の同期比で33%の激増となった。
直面している脅威の種類や度合いは複雑化しており、単独でテロ攻撃を図ろうとする者や周到な準備をした組織的な攻撃をもくろむ集団などの存在が予想されると指摘。同幹部はその上で、ISISやその他のテロ組織は英国への直接攻撃を狙っているとし、住民に対し何らかの不審な点に気付いた場合、連絡するよう呼び掛けた。