中学生学力判定テスト 43教室で解答用紙の回収トラブル
卒業前の中学3年生を対象とした学力判定テスト「国中教育会考」(会考)は16、17日の2日間にわたって台湾各地で行われた。17日に実施された英語のリスニング試験では、43教室で終了時刻を待たずに解答用紙が回収されるトラブルがあり、受験生3000人以上に影響。関係者が同日夜に謝罪した。
関係者によると、本来はリスニング試験用の放送が流れた後、試験終了時刻になってから問題用紙と解答用紙を回収する決まりになっていたが、一部で放送の終了後まもなく回収したという。トラブルがあった教室では、テスト時間が3~4分短くなったとみられている。
南投県政府教育処の彭雅玲処長は、試験官らに対して配られたマニュアルに訂正箇所があり、その訂正の通達が行きとどかなかったのではと話している。教育部の国民及び学前教育署は18日午前に記者会見を開き、19日にも救済措置や今後の対応を検討すると発表した。
台湾では毎年秋に新学年となるため、夏が学年末になる。今年の会考は約28万人が受験した。
暑さが続いている台湾・台北 きょうも猛暑に 予想最高気温36度
最高気温が30度を超える真夏日が先週から続いている北部・台北。18日の最高気温は36度に達すると予想され、中央気象局は紫外線に注意し、水分をこまめに取るよう呼びかけている。
台北では、16日に最高気温35.3度を観測。今年初めて気温が35度を上回る猛暑日となった。
18日は台北以外の各地でも真夏日になるとみられている。各地で予想される最高気温は中部の台中市や彰化県などで34度、南部の台南市や屏東県で33度、東部の宜蘭県で32度。
台湾で暮らす「新住民」の子供、母語習得に向け政府が支援へ
ベトナムやインドネシア、タイなど東南アジアなどから台湾人男性に嫁いだいわゆる「新住民」と呼ばれる女性の子供のうち、4割が中国語以外の母語を話せない実態が内政部の調査で分かった。同部では今年の夏休みに新住民の子供たち約100人を一時帰国させるプログラムを実施し、母語習得を支援する計画だ。
台湾には「新住民1世」が約50万人おり、その子供「2世」は約35万人いるとされる。計画では子供たちを母親の実家などへホームステイさせて、母語習得の機会向上をねらう。
東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の言語が話せる人材の育成は、将来的に台湾の利益につながる可能性もあることから、地元企業への見学もプログラムに盛り込む方針。
先住民の伝統野菜が旬 農業関係者が魅力アピール
台湾原住民(先住民)が多く住む東部・花蓮では、伝統的な野菜が旬を迎えている。農業委員会花蓮区農業改良場の関係者は遊びに訪れた際に地元の食材を味わってほしいとアピールしている。
同改良場の全中和さんによると、今の時期はタケノコのほか、オオタニワタリなどが食べごろ。現在はツルナやハゼラン、コロマンソウなどの栽培にも力を注いでいるという。
これらの野菜にはビタミンAやミネラル、食物繊維が豊富だと魅力を語る全さん。原住民が大自然とどうやってバランスを取りながら共存してきたかが分かると話している。
国防部報道官、環太平洋演習への参加実現に期待感
米国下院は15日、海軍主催の環太平洋合同演習(リムパック)に台湾の参加を求める内容を盛り込んだ国防権限法案を可決した。国防部の羅紹和報道官は17日、現時点では米軍からのリムパック参加要請は受けていないとしながらも、実現に対して期待感を示した。
リムパックは2年に1度ハワイで実施される世界最大規模の合同軍事演習。台湾は同演習を米国とアジア太平洋地域の同盟国をつなげる重要な活動だとして、かねてより参加を求めていた。
国防部ではさまざまな交流や協力活動を通じて、オブザーバーの立場で国際的組織や合同軍事演習へ参加する機会を獲得したいとしている。
中鋼、4月純利益は前月比で3か月ぶり増益[鉄鋼]
台湾鉄鋼最大手の中国鋼鉄(中鋼)が14日に発表した4月単月の税引き前連結純利益は、前月比19.9%増の17億7,400万台湾元(約69億円)だった。前月比では3か月ぶりに増益に転じた。
4月は鉄鉱石の価格下落が寄与したほか、15日付経済日報は中鋼子会社が保有する土地の価格上昇による評価益を計上したことが、本体の連結利益に寄与したと伝えた。ただ純利益は、前年同月比では15.3%減少した。同月の売上高は253億5,300万元で、前月比8.9%、前年同月比17.6%それぞれ減少。営業利益は、前月比で34.0%、前年同月比で54.4%の大幅減だった。
鋼材販売量は74万トンで、前月比7万1,000トン余り減った。中鋼は4~5月出荷分の台湾域内業者向け鋼材価格を7品目すべてで引き下げたが、鉄鋼市況が弱含む中で売上高・利益とも前年同月の水準には達しなかった。
中鋼は、6月出荷分の鋼材価格の引き下げも先月に決定済み。今月末には7~8月出荷分の鋼材価格を発表するが、川下業者の需要を喚起するためにさらなる値下げに踏み切るかが焦点となっている。
総統選は「女の戦い」?蔡・主席「台湾人民の選択」
立法院(日本の国会に相当)の洪秀柱・副院長が、来年行われる総統選挙の公認候補を選出するための、与党・国民党の党内予備選挙の立候補手続きを済ませた。
国民党では、朱立倫・主席をはじめ、有力視されていた人物が、ことごとく党内予備選挙の手続きを行わなかった。洪・副院長が女性であることから、来年の総統選は、野党・民進党主席であり、総統選の公認候補でもある蔡英文・女史との「女の戦い」になるという見方も出てきている。
これに対し、民進党の蔡・主席は、「民進党が自分に付与したのは、施政方針が民意にそぐうものであるべきという責任であり、国民党の候補が誰であっても大差ない。」「最も大切なのは、我々がすべての力を統合して、台湾人民としっかりと対話すること、我々が打ち出した政見や考え方、将来の施政計画が民意に沿っているかどうかだ。」と語っている。マスコミが焦点を当てている「女の戦い」についてはあまり関心を示さず、総統選は「台湾人民の選択」だという見解を示した。
国民党の朱・主席は、これまでに何度も、総統選への出馬はしないと繰り返しているが、現段階では、最終的に党内調整で朱・主席を指名する道も残されている。これについて、蔡・主席は、国民党内部の問題であると一蹴しながらも、国民党に対し、公認候補指名の過程において、じゅうぶんに社会の声に耳を傾け、民意を理解するよう呼びかけた。
米下院 リムパックに台湾を招く条文可決
アメリカ議会下院の本会議は15日、賛成269票、反対151票で、2016会計年度の国防予算の大枠を決める国防権限法案を可決した。この中には、環太平洋合同軍事演習(リムパック)に台湾を招くべきとする修正案が含まれている。
修正案は、共和党のマーク・ウォーカー下院議員が提出したもので、アメリカが中国大陸をリムパックに招く場合、国防長官は台湾を併せて招くべきという条文が盛り込まれている。
オバマ政権はアメリカと中国大陸の軍事関係強化のため、2013年末、中共解放軍海軍をリムパックに招くことを宣言した。このとき、国会議員らから、台湾も招くべきという声が上がっていたが、政治的な難易度が高いため見送られていた。2014年、中共解放軍海軍は初めてリムパックに参加したが、中華民国海軍は招かれず、このことに、各界から関心が寄せられていた。アメリカのシンクタンク、ヘリテージ財団の学者陣も、ペンタゴンは台湾に戦闘機を供与するだけでなく、台湾をリムパックに招くべきと提言している。提言では、台湾がリムパックに欠席すれば、アメリカを含む諸外国の海軍と連携がとれず、防衛に必要な合同作業に悪影響が出ると考えられる、また、連携上の欠点を改善するチャンスがなければ、戦力も発揮できなくなるなどの理由を挙げ、今後も引き続き中国大陸を招くのであれば、台湾も同時に招くべきだと指摘している。
アメリカでは法案が成立するためには、上下両院での承認が必要。台湾をリムパックに招くとする修正案が盛り込まれた下院版の国防予算案が上院で可決される、または上院で類似の法案が可決された後、両院でさらに協議がもたれることになる。
台湾で農地の価格が高騰、日本の6倍で世界最高
台湾・自由時報は15日、台湾の不動産価格高騰が都市の住宅のみならず農村にも及んでおり、農地価格が1ヘクタール1500万台湾ドル(約5862万円)と世界最高レベルにあるとする米・CNNや中国時報などの報道を伝えた。
CNNは、「台北で家を買うなら15年間飲まず食わずでいる必要がある。すなわち、一般の中産階級はそもそも家の購入に手が届かない」と報道。米国のコンサル企業による調査で、台北における不動産価格の対所得比がすでに世界最高で、東京や香港より高いことが明らかになったとした。一方で、「田舎に住み、農業をしている若者がこの問題を避けられるかと言えば、残念ながら答えはNoだ」とも伝えた。
中国時報は、台湾の農地価格が1ヘクタールあたり1500万台湾ドルと、日本の244万台湾ドル(約954万円)の約6倍、韓国の155万台湾ドル(約606万円)の10倍になっていると紹介。さらに米国、フランス、ドイツなどでは30万台湾ドル(約117万円)にも満たないとした。そして、投機売買によって農地の価格が建築用地の価格に接近していること、特に交通の便がいい宜蘭、桃園が最も深刻な状況で、農村住宅の62%が非農民所有、7割以上の農村住宅が違法であることを伝えた。
台湾行政院農業委員会の陳保基主任委員は「農村住宅は農民が住むべき場所」とコメント。違法の農村住宅にてついては今後法改正によって罰金額を増やす意向を示すとともに、地方に対して取り締まりの強化を求めた。